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各国情報提供

わたしの活動エリア「台湾」へようこそ!

海外社会貢献者からのメッセージ

象山から見た101と台北の夜景

Q. 世界を活動の場とする社会貢献者にとって、この国はどのような場所ですか?

わたしが活動する台北は日本語のボランティアが多いと思います。各種学校・文化施設の日本語通訳や日本語教師のボランティアもあります。中国語や英語がある程度できるに越したことはありませんが、短期的なボランティアなら日本語だけでも可能なものもあります。台湾は世界一の親日国で多数の日本人観光客が来ていることもあり、日本語ボランティアの幅はさらに広くなっています。

活動の領域は非常に広いと思います。台湾は貧困国ではありませんが、ボランティアを必要とする場面は多岐にわたります。病院・孤児院・養護施設・博物館・農業振興のボランティアは一般的ですし、中国語を話せる現地の人がするという形ではなく、世界中からのボランティアと力を合わせていこうとしています。そうすることで各種ボランティア団体自身も刺激を受けて、さらなる国際交流を促進することになります。台湾自身も各国にボランティアを派遣している国でもありますが、それは大部分の国との国交がない台湾にとって大切な民間外交の一部だからという事情もあります。

文化

台湾グルメ代表の小籠包

Q. 現地の人々の気質や考え方にはどんな傾向がありますか?

世界一の親日国ですが、日本に限らず外国のいいところは何でも貪欲に吸収する気質を持っています。欧米や日本に憧れや親近感を持つ人が多く、考え方は開かれていて、多様性を受け入れる素地があります。国民性はとてもフレンドリーで、小さいことは気にしない人が多いです。

教育を重視するところがあり、大学進学率は90%を超えます。修士・博士号を持っている人や海外留学の経験がある人も少なくありません。多くのこどもは小さいころから塾や習い事をさせられています。

男女平等の概念が比較的定着しており、共働きが普通で、家事も子育ても夫婦が協力して行うという面もあります。一方で、子どもを持たない夫婦や未婚も一般化しています。LGBTは社会的に市民権を得ており、同性婚をアジア初で合法化した面もあります。

Q. 現地の食文化はどのようなものですか?

他の中華圏同様、外食文化が根付いているので、比較的安価な屋台や弁当屋さん、朝ごはん屋さんが至る所にあります。夜市は真夜中1時くらいまでやっており、遅くまでローカルフードやB級グルメを楽しめます。

1949年の蒋介石と共に渡ってきた中国人の中には中国各地の優秀な料理人も多数いたので、彼らがもたらした中国各地の食文化が、台湾土着の料理・閩南料理・日本時代に吸収した和食文化・西洋食文化と融合し、現在の多様性のある台湾食文化を形成しています。

至る所においしいものがあり、それを目指して台湾に来る方もたくさんいます。そして食が生活や健康の基本だという意識は相当強く、食に対する意識はとても高いです。

台湾風ふわふわ抹茶かき氷

Q. 現地の人々はどのような生活習慣や宗教観を持っていますか? 現地特有のマナーなどはありますか?

生活習慣は比較的日本と似ており、衛生基準も高く、マナーもよく守られています。一般的に台湾は中国と日本を足して二で割った文化を持っていると言われますが、生活習慣に関してはやや日本寄りで、宗教に根差す文化は中国寄りだと思います。

宗教に関しては、台湾原住民独自のアニミズムがなくなり、元々は外来である漢民族がもたらした儒教・仏教・道教が今の中核をなしており、それにキリスト教が加わっています。いずれにしても、他の人の信仰を尊重する雰囲気が強く、学校や病院もキリスト教や仏教の団体によって運営されているものも少なくなく、慈善事業団体も多数ありますので、宗教は台湾の日常生活に密着していると言えます。先祖供養・寺院参拝・日曜礼拝のような宗教の習慣は、日本よりも重視されていると思います。

気候

真夏の台北アリーナ前

Q. 現地はどのような気候ですか? 健康維持のために気を付けるべきことはありますか?

台湾北部・中部は亜熱帯気候で、南部へ行くと熱帯気候です。一年を通じて温暖ですが、北部では1月2月はずっと雨が降る年もあります。ただ基本的には、一年の内半分以上は「夏」で、春と秋が短く、場合によっては全く感じられません。冬は短く、雪は降りません。

水分補給をこまめにして、熱中症対策を心掛けなければなりません。昼寝の習慣もあり、学校でも会社でも30分から1時間寝る人がたくさんいます。日本でできていた仕事量の三分の二くらいに活動量をとどめておいた方がいいこともあります。

基本的に高温多湿なので、快適な気温の幅が狭く、気温の割に暑く感じたり、反対に寒く感じたりします。一年中クーラーをつける習慣があるのは、湿気対策の一面もありますので、真冬にクーラーがついている場合もありますし、真夏は設定温度を20度くらいにしている店もあり、服装には気を付けなければなりません。

現地の食事はやや脂っこいものが多く、「三高」回避が政府によって指導されています。三高とは「高脂肪・高血糖・高血圧」です。外食を控え目にして、自炊を心掛け、定期的に運動することが大切です。

Q. 現地特有の風土病はありますか? 健康維持のために役立つ対処方法はありますか?

特にありません。

言語

語学学校の先生にチェック済みの宿題

Q. 現地の人々はどのような言語を用いていますか? 外国人にとって、現地の言語を学ぶ際に、どんなハードルがありますか?

現地で「国語」と言われる標準中国語が共通語です。日本で一般に認識されている「中国語」です。これさえ話せれば、基本的に何も困りません。それ以外には閩南語(台湾語)や客家語もよく聞かれます。この三種類は広い意味で中国語の一部です。これに加え英語が公共エリアのアナウンスでよく使われる言語です。

中国語学習に関しては、台湾では各種学校や教材もあり、日本でも学校や中国語教室が充実しています。単語を表記すると、日本語と全く同じ場合もあるので、話せなくても大体内容が推察できるという意味でとっつきやすい言語ですが、反対に発音は全く違う場合がほとんどで、「書く」「読解」はよくできても、「会話」習得には少々時間がかかります。ただ一般的には習得難易度が高い言語には分類されていません。

生活

夜市の牛肉麺屋さん

Q. 現地の人々の生活水準はどうですか?

一般的な生活水準は高いと思います。

例えば、台北と東京の物価を比較すると、三分の二くらいだと感じる時がありますが、台北ではモノによってはそれよりもはるかに高く、街に溢れている日本商品の多くは日本の三倍くらいの値段がします。一方で通信費は安く、ネット環境も日本より進んでいます。医療も日本と同等レベルで、費用は日本より安いです。

スポーツ・文化振興・芸術活動に関しては、成長段階のところもあります。レジャー施設もまだ充実していないとも言えます。しかし、意識が日に日に高くなってきており、より豊かで文化教養のある環境づくりを国が推進しています。この面でのボランティアの活躍も増えています。

ある程度の経済力のある家庭は、家政婦やベビーシッターを24時間雇っています。子ども・お年寄りの世話や家事全般を自分たちではあまりしなくてもいいという環境にある家庭も少なくありません。

Q. 現地の人々の教育水準はどうですか?

高等教育が普及しており、90%以上の大学進学率を誇っています。識字率はほぼ100%に達し、公用語である中国語を読み書きできない人はごくごく少数に留まります。

英語教育は多くの公立小学校でも一年生から始まっており、それ以前にバイリンガル幼稚園に子供を通わせたり、フィリピン人のベビーシッターやメイドさんを雇ったりし、幼いころから英語に触れさせている家庭もあります。

国家が教育にかける予算が多いせいか、大学かなと思っていたところが実は小学校だったということがありました。門構えも校舎も大変立派です。

各種習い事が豊富ですので、時間のある時に家庭教師を雇ったり、語学教室に通ったりする人が少なくありません。学習意欲が旺盛な人が多いので、80~90代の人でもパソコンやスマホを使いこなし、ゲームをしたり、孫とチャットしたりしている人もいます。

学歴社会の面もあり、子どもにいい学歴をつけさせるために、子どもをいい小学校・中学校・高校にいれることに大変熱心で、修士号や博士号保持者も少なくなく、海外留学も頻繁です。ただ、学歴はいい仕事のためという視点が強いので、高学歴者でも学問を純粋に愛するかどうかは別という意識があります。博士号取得者の人口比率は日本より高いにも関わらず、現時点ではノーベル賞をもらった人は一人しかいません。

バスケットボールは台湾で最も愛好されているスポーツ

Q. 現地の治安水準はどうですか? 外国人が特に気を付けるべきことはありますか?

治安は極めてよく、不安に感じることはありません。女性でも夜一人で歩けます。ですから、東京や大阪と比べても治安はいいと思ってもらっても言い過ぎではありません。特にひったくりにあったり、酔っ払いに絡まれたりするなどの問題は皆無に近く、ホームレスも少ないです。ただ、もちろん犯罪がないわけではなく、詐欺事件やスリなども報告されています。なお、お巡りさんの数はとても多いです。

外国人が気を付けるべきところは、ナイトクラブなどの場所でのぼったくりや、観光地でのスリですが、数がたくさん報告されているわけではありません。ごく少数です。一般的に台湾人は外国人に非常に好意的で、特に日本人や西洋人だと分かると、態度を変えてきます。外国人がターゲットにされるというよりは、外国人だからこそ守られることがあります。

Q. 現地の住居や住環境の様子どうですか?

一戸何億円もする高級マンションもあれば、昔ながらの五階建てのアパートもたくさんあります。都市部でも郊外でも集合住宅が多いのが特徴で、20階建てのマンションもたくさんあります。ただ、いわゆるタワマンはほとんどありません。都市部では一戸建てもほぼ見かけません。

都市部では人口が非常に密集しているので、必要なものがすぐに手に入るという環境で、コンビニの人口比は世界一です。外食文化なので単身者のアパートにはコンロがないところもあります。

ビジネス街・ショッピング街・住宅街がきちっと分かれていないところもあり、一軒のビルに、会社・病院・語学教室・寺院・普通の住居が入っているところもあります。

ご近所付き合いは希薄で、家の中ですら個人主義が貫かれています。浴室が二つある住居も多く、ルームシェア、シェアハウスも一般的です。

Q. 現地の生活インフラ(水道・電気・ガス・インターネット)はどの程度整っていますか?

上下水道・電気は完備されています。ただ、一部地域・住居では都市ガスではなく、プロパンガスで、エレベーターがない六階でも業者がわっせわっせと容器を担いで交換に来てくださいます。台風・地震など非常時以外で停電・断水することはなく、数分以内に復旧します。

インターネットは比較的安価で申し込めますので、多くの方は使い放題のプランを申し込んでいます。市内の至る所にフリーWi-Fiがありますが、安定しているものとそうでないものが混在しています。

101から見た台北市松山区周辺

Q. 現地のレストランやファーストフード店、露店など食品を扱う店の衛生状態はどうですか?

外食文化なので、屋台がたくさんあり、レストランの数も多いですし、マクドナルドなどのファーストフードから現地のファーストフード店、そして夜市のB級グルメ店など幅広いのが台湾の特徴ですが、いずれにしても衛生面での問題はほぼないと思います。

ただ、一時期問題になったのは、夜市や屋台、あるいは一部のファーストフード店で使われていた油が使いまわしの品質の悪い違法のものだったことが分かり騒ぎになりました。今は解決していますが、外食を控えようという人も以前よりは増えてきています。少数ながら一部の人は安いお店や屋台には一切近づかないと決意しています。

Q. 生活に必要な安全な飲用水はどのように調達しますか?

コンビニやスーパーで安価で売っています。水道水は基本的には飲めません。濾過装置を付けると飲めるようになります。煮沸消毒でも大丈夫だと思います。水道水のレベルは年々改善されており、近い将来そのまま飲めるようになる日が来るかもしれません。

Q. 現地の交通事情や交通機関の様子はどうですか?

都市部と郊外では異なりますが、都市部では鉄道・バス・MRTなどの公共交通機関、タクシー・Uber・シェアサイクル・シェアバイクなども充実しており、自転車や徒歩のみでも生活できる場所も多いですが、少し郊外に行くとやはりバイクや自動車が必要になってきます。

台湾の道路事情は、ここ数年で変化したとはいえ、基本的には人間が最優先ではありません。自動車やバスが最優先で、次にバイク、最後に人間といった感じです。横断歩道でもよく見ながら渡らなければなりません。

長距離バスを除けば、バスもMRTも飲食は原則禁止で、MRTは飲み水すら禁止されています。電話の通話は大丈夫です。少々大きな声でしゃべっても誰も気に留めません。電車は区間によっては駅弁もあり、のんびりした雰囲気もあります。基本的には公共交通機関でも人々はおおらかで、子どもが騒いでいても誰もあまり気にしません。

バイクが日常の移動手段の人も多い

Q. 現地の医療水準はどうですか? 医療費は高額ですか?

医療水準は高いと思います。英語が通じる医者・歯医者が多く、時々日本に留学していた医者にも会いますので、日本語で医療を受けるとことすらできます。ある病院では専属通訳がいて、日本で一部の海外旅行保険に入っている人は無料で何回でも通訳サービスを利用できます。

何らかの保険に入っているのであれば、医療費が高く感じられることはありません。現地の国民健康保険は居留証を持っている人なら加入できますし、そうでなくても日本出国時に海外旅行保険などに加入しておき、現地の病院で全額支払ってから、日本帰国時に請求することも可能です。ただ、緊急入院や手術などならまだしも、風邪やちょっとしたけがで医者に掛かって現地で全額払っても「高額」と言える額ではないと思います。

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