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各国情報提供

わたしの活動エリア「ナミビア」へようこそ!

海外社会貢献者からのメッセージ

ウォルビスベイにある砂丘Dune7の頂上から夕陽を観ると世界観が変わります

Q. 世界を活動の場とする社会貢献者にとって、この国はどのような場所ですか?

私は2004年から主に首都ウィントフックを中心に教育関係のボランティア活動をしています。

この国は1990年に独立する前は南アフリカの一部で南西アフリカという名前でした。主要道路もしっかり整備されており、政府のサービス(例えば、ごみ回収など)も近隣国よりずっと発達していて便利です。特に首都ウィントフックなどの中心地は一見ヨーロッパ風です。ここ数年で大きな町にはモダンなショッピングモールが数件建てられた事もあり、いわゆる先進国から来た外国人にとって大分暮らし易い国になりました。

南アフリカ、アンゴラ、ボツワナとザンビアに囲まれているので、お仕事や親戚との繋がりで隣国から移住された外国人が多いです。自国には大きく分けて5部族が共存しています。町を歩くと誰でも気兼ねなく部族語で大きな声で話している、とても気さくで自由な空気があります。初対面でも何語系なの?と聞くと気軽に答えてくれます。それが分かっていた方がお互いに付き合っていく上で何事も話が早いからです。

さて、メインの黒人の方々の分類ですが、「ブラック」と言うと嫌がる人も中にはいるので、正式に「アフリカン」と呼ぶと無難です。

以下がナミビア出身の主な部族(人口の多い順)です。 

1.オシワンボ・ンドンガ 
北部オバンボランドにあるオンダングワという町がンドンガ文化の中心です。

2.オシワンボ・クワンヤマ 
オバンボランドにあるオングウェディバ付近又はオシャカティが彼らの主な出身地です。

1と2は親戚なので、言語もほとんど同じで、両方とも流ちょうに読み書きする人がとても多いです。外国人が学ぶならクワンヤマ語の方が短いので覚えやすいです。それをンドンガ族の友人(又は知人)のナミビア人に言うと猛反対されますが、ンドンガ族の友人(又は知人)にクワンヤマ語で挨拶しても全く通じます。国境を超えたアンゴラ人でクワンヤマ語を話せる方が、クワンヤマスピーカーのナミビア人の配偶者を持つケースも多いです。

3.クワンガリ

ナミビア北部に流れるオカバンゴリバーは隣国アンゴラとの国境でもあります。このオカバンゴ地区の首都ルンドゥではルクワンガリ語が主流言語ですが、英語でもほとんど通じます。笑顔で、もの柔らかい口調の警備人を見たら大体がオカバンゴ出身です。一般的に謙虚な性格で口調が柔らかい方が多く、ルンドゥ付近では例え泥棒が出ても近所中で捕まえてくれるという安全さが魅力です。

ルンドゥには木が多く、クワンガリ族の人々は木製の彫り物などを作るのが特技です。各地でよく屋台を出したり地面に広げて売ったりしているお土産屋さんを見かけます。最初に言われる値段は値引き前の設定なので、交渉次第で大概は安くしてくれます。

腕の右側がメモ帳代わりで(左腕の内側に右腕でなぞり書く)、爪楊枝の長いようなスティックで肌に値段を書いて見せてくれます。基本的に性格が優しいので、特にまとめ買いする時に交渉するとかなり安くしてくれるお店も多いです。

4.ヘレロ / ヒンバ
ヘレロ族の主な出身地はオカカララ又はホバーバスです。牛の農場を持つ文化で、それを誇りにしています。女性の民族衣装で必ずかぶる牛の角のデザインの帽子で有名です。帽子の中には丸めた新聞紙が入っていて、形を整えるのにピンが何本も刺さっています。子供にいたずらされたくないお金や携帯電話を隠す金庫代わりにもなっています。帽子に入れない時はブラに突っ込んで隠していたりもします。

ヘレロ女性のドレス

幅の広いスカートの下には何枚ものペチコートを重ね着していて、夏にはかなり暑い上に重いそうです。英国ビクトリア文化への憧れが出ていますね。女性がアイロンを得意とされる部族で、ミシンも上手で、よくお店を出してはお手製ドレスを作って売っています。ただ着るのに時間がかかるスタイルなので、若い人は一着も持ってもいない子も増えています。その辺は日本の着物文化みたいですね。

女性がトップレスで全身にオレンジ色のクリームを塗ることで知られるヒンバ族とヘレロ族は以前同じ部族でしたが、ヘレロ族は文化の進展を受け入れて変化していった分派です。一方ヒンバ族は今でもオプオという町付近で伝統的な暮らしを続けています。たまに町に出てきて下半身だけの民族衣装を着て手作りのお土産品などを売っています。写真を撮りたいなら必ず許可をもらってください。同意がないまま勝手に撮ると、かなりの額の高いチップを罰金のように要求されます。地元オプオ付近で人物と一緒に写真を撮りたいなら、小銭よりもお砂糖やティーバッグなとの生活必需品をチップ代わりにプレゼントするとより喜ばれます。

5.ナマ・ダマラ
主にキトマンズフープ又はコリハス出身の部族で言語は同じルートから来ていますが、ナマ族は肌が明るめ、ダマラ族は濃い目の茶色い肌です。

ナマ(ダマラ)族の女性は、切れ合わせの余り布を上手く縫い合わせたとても可愛いオリジナル柄パッチワークのワンピースを好んで作ります。

世界的にヒットして日本でも有名になったブッシュマン映画主役の二カオさんは、この部族出身です。ブッシュマンという名前は今では広く知られていますが、本当の部族名はサン族と言った方が丁寧で正確です。サン族の人々は明るめで黄色かかった茶色い肌色をしています。ツムクウェの町からもっと奥の自然の真っただ中で、今でも親戚同士が集まって部落を形成し、ほぼ昔ながらのスタイルで自然と共存して住んでいます。部落に一人は大抵アフリカーンス家庭のファームで働いた経験がある男性がいて、アフリカーンス語の通訳をしてくれます。若い子で英語の上手な子も大体1部落に1,2人いる事が多いです。とても純粋で自然への敬意が深い人々です。

これらの部族の話すやや似ている言語全体をコイコイコハブと呼びます。舌打ち音が多く、鼻がつまったような感じで出す音もあるので、外国人が学ぶにはかなり難しい部族語です。

上記5部族に加えて、以下のグループが上げられます。

6.バスター (アフリカーンス語で混血という意味)
「カラード」(英語で色付き)という名前は原則的には南アフリカのケープタウンからのオランダ系子孫の事を指すので、一緒にしないで欲しいようです。アフリカーンス語で「バスター」と呼ぶのが正式でこちらを使って呼ばれるととても喜びます。

この英語の単語の本来の意味には、配偶者ではない相手との不倫で出来た子供という背景が含まれている事からやや人種差別感がありますが、ナミビアのバスターの皆さんはこの呼び名にかなり誇りをもっています。本来はヨーロッパ系白人と地元ナミビア人が子供を持つ事で生まれた茶色の肌の人々で、独自の文化が発達したようです。特徴のある強いアクセントでアフリカーンス語を話します。煉瓦建築のプロなど建設業界に携わる人の割合が高いです。

ウィントフックから車で40分のリーボスというところに主に住んでいます。ウィントフックにもバスターが多く住むコマスダルという区域があり、ナミビア手話でこの地区を指す時には「母親が白人」と呼ばれています。なるほど! アフリカーンス文化が大好きで特にフォークダンスなどが得意です。家族との時間をとても大切にします。バーベキュー(ブライ)のお供に人気の自家製 “ローストブレッド” を炭の上で上手にひっくり返しながらゆっくりと焼いてくれます。

緑の木が少ない代わりに楽しめる岩と砂漠の独特な美しさがナミビアの自慢です

7.白人(ヨーロッパ系又は南ア出身のアフリカーンス語スピーカー)
アフリカーンス語は「オランダ人の奥様方が台所でおしゃべりする」バージョンとも言われていて、正式なオランダ語が少し砕けた日常会話化された言語だそうです。家族との絆をとても大切にする文化で、おじいちゃんおばあちゃんと同居している家族も多く、お家にはよく家族代々受け継がれた家具やお皿などが大切に置いてあります。

ビルトンと呼ばれているアフリカンにも大人気のコリヤンダーの種のスパイスを使った乾燥肉が有名な文化です。ファーマーのお友達のお家を訪ねると、珍しいシマウマ肉の燻製サラミとか、一年分は在庫している家族の特製レシピで自家製されたジャムやレモネードが出てくるかもしれません。

ウィントフックには、小さいとは言えちょっとした中華街もあることから、ナミビア人は中国人を身近に感じていますが、まだまだ日本は遠い国という印象です。最近になってYOUTUBEにかなり通じている若い層に韓国のBTSが流行っていると教わりました。ここ数年では、日本からの中古車の輸入でプチ成功した会社が会社名にJAPANと入れて以来、また健康志向の白人内でのほのかな寿司ブームのお蔭で、日本に興味を持つ若者も徐々に増えました。誤字混じりの変な日本語の看板を堂々と掲げている空手教室も人気です。

ただ政府は地元ナミビア人の失業率が常に4割を超えているため、外国人ボランティアに対しての理解は低いです。国外から経験や資格のある方をボランティアで呼ぶより、ナミビア人にそのポストを得て少しでも益を得て欲しいという心配があるからです。

ボランティアと言っても、例えば家賃がただの社宅に住んでいると、それが給料の一部とみなされます。自分は “ボランティア” つまりお給料なしで活動している立場だと説明しても、ナミビア政府側からは地元ナミビア人の低所得者と比べたら、より高額な生活費を保証されている恵まれた外国人とみなされるようです。つまり、その快適な生活レベルという特権付きの職場を、ナミビア人から奪っているという考え方が根強く存在しています。

それでビザの申請の際にも、あなたの活動が現地人にどれだけ利益をもたらせるかどうか(特にトレーニングプログラムやその後の雇用提供の可能性)をいかにアピール出来るかが高いポイントになります。ビザの申請にはご自身で苦労するよりも、手っ取り早くお金を払ってエージェントに代行してもらう方が短期間で取れると思います。 

文化

黄色い果実は「アマルア」
お友達が2週間かけて手作業で編んでくれた世界で一個だけのオリジナル籠との相性抜群

Q. 現地の人々の気質や考え方にはどんな傾向がありますか?

ナミビア人は、多くの部族があるのが当たり前の環境で育っているゆえに、お互いのライフスタイルや考え方の違いを受け入れて上手に共存しています。自分の母語以外にも近所の子供や学校の友達の母語を積極的に学んでマスターしている友人も大勢います。

特に村での生活では、まるで戦後の日本の様な近所付き合いを大切にする文化が今でも健在です。困った時はお互い様という親切さが残っていて、見ず知らずの相手でも助ける心の余裕があります。例えば、駐車場の精算機でお札が使えず困っていたら、近くにいる人が数人で小銭コインをカンパしてくれたり、二度と会わないであろう初対面の通りすがりの相手にでも、積極的に親切にしたりする方が多いです。

挨拶はとても大事なマナーで、大抵の場合は足を止めて一人ずつに丁寧に声をかけます。オシワンボ語では、「よく眠れた?」「はい。貴方は?」「私も」と始めて、家族の事やお仕事の調子などゆったりとしたペースでお互いの生活に関心を示していきます。

町になれば、英語風の短い挨拶も通用しますが、あえてゆっくり部族語で挨拶するとかなり喜ばれます。

仲の良い相手でも、あまりハッキリと断る返事やアドバイスを積極的に与え合う様子は少ないです。例えば、私は初対面のアフリカンに、「テレビで見た日本に連れて行って欲しい。東京ならお店がいっぱいで仕事が見つかるでしょう?」と度々聞かれます。そんな時にはあえて否定せず、「確かに日本は便利で生活面で楽な点は沢山あるけれど、その分人も車も多いし忙し過ぎでストレスが大きい暮らしなので、ナミビアの方がいいところもいっぱいあると思うよ。例えばお肉の値段が物凄く高いよ」と答えるとすぐ諦めます。その他にも具体的に「缶のコーラは価格が2,3倍もする」と教えてあげるとかなりのショックのようで二度聞いてこない率100パーセントです。

アフリカ人文化の一般的な特徴は、くよくよしない。何とかなる。楽観的。みんなで苦労を分け、一日ずつ生き延びようという強さ。私の周りには、こちらから見たら決して恵まれているとは言えない環境に置かれているはずなのに、いつも楽しそうで前向きな友人が本当に大勢います。

カプリビ地区でよく見かける徒歩で長距離移動中の方のフレンドリーな笑顔

白人家庭は元祖働き者の文化で、家族と親戚を非常に大切にします。町が小さく、交通渋滞も少ないので、お昼休みには車で勤め先から帰宅して家族とランチするお父さんも多いのが印象的です。おばあちゃんは今でも手編みの毛布を縫っていたりします。お母さんは伝統的なお料理の作り方を女の子に教えるのが普通なので、若い女性でも、お手製ケーキなど粉から混ぜる本格的なレシピでベイキングが上手な方がとても多いです。一方男の子は、お父さんのお手伝いで車の修理や狩りのコツを教わって育つため、何でも自分の手で修理できるという心強い男性が大多数です。週末などにパーティをする時には必ずと言っていいほど家族ぐるみ又は夫婦単位で招待しあうもので、日本のように男性のみの飲み会などはほとんど聞いた事がないです。

外国にはよくある事ですが、ここでも時間厳守の文化はあってもなくても、お仕事の約束以外はあまり緊張感がない場合が圧倒的に多いです。なので、こちらがたまに待ち合わせ時間に遅れた場合にも、絶対に待っていてくれるだけでなく、一切怒らないので、それに慣れてしまった私には最高に心地良いです。

少数とはいえ、地元のお友達には下手すると日本人の私より早く待ち合わせの時間前に待っている方もいらっしゃいます。特に小さな田舎村の出身の方だと、時計は気にしない(家に置いてさえいない)日の出と日の入りに合わせたライフスタイルつまり元祖 “アフリカンタイム” で育った背景があるのに、後に引越した先の町での早い生活ペースに良く順応されています。生まれ育った環境とは関係なく、有益な習慣というものは本人の意識と努力次第で身に付くという生きた証明ですよね。

私はウィントフックを中心にろうあ者の援助のボランティアにも関わってきました。ろうあ者に「どうして/いつから耳が聞こえなくなったの?」と聞くと誰でも喜んで教えてくれます。戦後の日本のように、病院での医師の手違いや間違った薬の副作用で耳が聞こえなくなった方が多いです。生まれつきの場合だと、お母さんが妊娠中にアルコール依存症だったのが原因という方もおられます。アンゴラで生まれて、小さいときに外で遊んでいたら近くで地雷が爆発し、爆音の為に鼓膜が破れたというケースも聞きました。

でも皆さんとにかく明るい!ミスをした病院を訴えてやろうとか、飲んだくれの母親を恨むとかという思考のろうあ者にはこの国ではまだお会いした経験がありません。

他にも障害のある方には沢山お会いしましたが、お会いするといつも受ける印象としては、皆さん命があるという事に感謝しつつひたすらポジティブに、人とは違う自分の外見にも自信を持って生きているたくましい様子です。義足の女の子に「足どうしたの?事故?」と聞いたら、とても元気に「違うよ!生まれつきこうだっただけ!!」と笑顔でお返事してくれた事もあります。交通事故で若く両親を亡くされた20代前半の生徒さんもいますが、自分が孤児だという事実も特に恥ずかしく思っていないので、隠したりもせず堂々と頑張っている姿が愛おしいです。 

Q. 現地の食文化はどのようなものですか?

ナミビアで見るドイツ直伝ホットドッグロール
真横に大きく切ってあるのは、巨大フランクフルトが上手に挟まらないから

オーガニックのお肉が豊富でとても美味しくしかも安いかわりに、野菜は現地で育ちにくいので、ほぼ南アから輸入になっており、基本的に割高です。小さい町では新鮮食品は種類も少なく、お店の棚で売っている時点で既に腐っているものも多いです。

乾燥食品類も賞味期限が気になる方は買う前にご自分できちんと確認してください。牛乳などは冷蔵庫の奥を探すと新鮮なボトルが見つかります。鶏肉や魚は輸送がしやすい冷凍が主流です。

現地のファーマーのお店では、タイミングが良ければ、狩り立ての野生動物を頭も足もついたままの丸ごとで買える事もあります。そういったお買い得で新鮮なお肉を自分で切り分けて保存するために、家族用に大きな冷凍庫があるお家も多いです。

海沿いでは新鮮なシーフードが安く手に入ります。

アフリカーンス語の家庭では特別な日のごちそうには骨付きのラム肉のローストなどがよく出ます。大抵は料理するときに出るお肉汁を使った自家製グレービーソースをかけるための白いご飯とお野菜が一緒に出ます。

地元アフリカンの家庭になると、特別な日にはヤギ又は羊の頭の燻製や足や内臓の煮込んだシチューを、すいとんによく似たトウモロコシ粉をふかしたもの(パップ)にかけて食べています。普通は手を使って丸めて食べるのですが、外国人はフォークを頼んでも大丈夫です。ただ固い内臓の煮込み料理に慣れていない日本人には匂いも味も見た目もきついです。カレー粉入りだと少し食べやすいかと思われます。

田舎の方の貧しい家族だと一日一食のみというご家庭も少なくないそうです。大抵は夜ご飯を満腹になるまでしっかり食べるそうです。お金がない時には、お肉なしでもお肉を食べた後味が残るシチュー味のクロールスープの素を使ったソースや簡単なトマトソースを、安くて手に入りやすい炭水化物の主食にかけて大きなお皿に大盛りにして食べている日も多いようです。

「マハング」粉を使っているパップは灰色なのですぐわかります。マハングの実は日本のお蕎麦のように栄養価が高い事で有名です。マハングの実を製粉する作業では、近年はお金を払って機械を使う農家は増えてきたものの、伝統的にはほぼ手作業です。地面に広げたマハングの実を大きな木の杖で全身の力を使って叩く事が多いので、製粉されたものに砂が混じっている事が多いのでご注意。

クワンガリとオシワンボ族がよく副菜として作るのが、「ムテテ」と呼ばれるホウレンソウのような緑の葉野菜です。収穫は一年に一度しかないので、採ったムテテは日干しで乾燥させて保管します。それをまたトマト味で煮て食べるので、味はやや酸っぱくなり、色もほぼ緑が抜けてしまい、どちらかと言うと茶色が強いです。パップと一緒によく出ます。小さいスプーン1杯でもいいのでこれを味見するととても喜ばれます。これは、例えば大阪の方が観光客には必ずたこ焼きを食べさせたい感覚と同じだと思います。

家計に余裕があるお家では、マカロニや白いご飯やスパゲッティーが出てきます。オシワンボ語ではスパゲッティーの事も「おマカロニ」と呼んでいてかわいいです。

温かい朝食が好きなご家庭では、オート麦の煮たもの又はまたしてもパップに、今度はミルク、マーガリンやお砂糖をかけてしっかりと食べています。そうかと言えば朝食は簡単にルイボスティーとトーストさえしていない何も塗っていない食パンで済ますという家庭も多いようです。リンゴやバナナなどは路上のお店でもすぐ買えるので人気です。

ヘレロ族の典型的な朝食 ー オマヘレ ON パップ

週末には豪華にベーコンエッグやソーセージを朝ごはんと決めて楽しみにている白人のお家もあります。

町ではよく、毎週末のように近所の誰かが必ずバーベキューパーティをしていて、いい匂いが漂ってきます。ナミビアではバーベキューの事をアフリカーンス語で「ブライ」と呼びます。ブライにお呼ばれしたら、到底その日のうちには食べきれない量のお肉を焼く事になります。逆にサラダがない、もしくはあっても量が極端に少ないか、野菜がドレッシングやマヨネーズに漬かっている状況が多々見受けられます。

ステーキの焼き加減も日本で人気のミディアムレアはそれほど浸透していないので、黙っているとウェルダンに焼いてくれる事が多いです。中がピンクなステーキが好きな方は、ブライの真横で見守っておいて、自分の食べる分は調整してもらうといいかもしれません。

アフリカンスタイルの結婚式などでは、ポテトサラダとマカロニサラダがいわゆる「サラダ」です。

特に夏場に冷蔵状態など不安でしたらチキンや魚は避けるか、高熱でフライドしたものを選んだ方が無難です。赤身の肉の方が一般的に腐りにくいのでどちらかというと安全な事が多いです。

お店でテイクアウトをしたい時には、ガラスケースでは丁寧に並んでいても実は前日の残り物という事も多いので、必ず購入前に確かめて下さい。食べる前には十分に再加熱される方が無難です。

お店や家庭で冷蔵庫に入れないで室温でマヨネーズなどのソース系を保管していると、特に夏には室温が上がる為、これが原因でお腹を壊す事もあります。

オシワンボ族のご馳走は、チキンと白いご飯をトマトと玉ねぎとピーマンで炒めたソースで頂くのが主流です。これが出てきたら日本のお寿司レベル、つまり最高に栄誉あるお客様への待遇ですので必ず完食しましょう。

ヘレロ族はほぼ赤身のお肉を好みます。ヘレロ族は牛がいるのに慣れている文化のせいか、「オマヘレ」と呼ばれるホームメイドのドリンクヨーグルトの濃いものをよく飲んでいます。とてもお腹にいいものですが、慣れていないとお腹を崩す外国人もいます。赤ちゃんの主食用にもこの飲み物が大活躍です。砂糖が多めに入ったヘレロブレッドは、伝統的には黒い窯を地面に埋めて蒸し焼きする特別なパンでとても人気が高いです。

田舎の方の伝統食になると、「ムパニ」という幼虫の上級者向けのおかずもありますが、苦手な方は素直に「一度試したけど口に合わなかった」と笑顔で説明すると大丈夫です。

マハングの実は、製粉しないで種のまま炒って食べる事もあります。製粉したものを大きな樽にいれて、お砂糖とお湯を加えると「オシクンデュ」と呼ばれる大人気自家製ビールが出来上がります。同じ日に飲むとアルコール分はない又は低いそうですが、翌日からは発酵していますので、日本でいう甘酒のようなほんのり甘いアルコール飲料化します。お腹がいっぱいになる飲み物で栄養も抜群なのでご飯代わりに一杯飲んでる方も多いです。

「オシクンデュ」はオシバンボ文化の代表作なので、是非一度試してみて下さい。好きだったらその旨を伝えてあげるとかなり喜んでくれるので、貴方と地元の方との絆が一気に深まる事間違いなしです。

アマルラというフルーツは、ある映画の中での象や猿がこの果実を食べて酔っぱらっている映像で有名になりました。一本でも木があるとかなりの収穫になるので、自宅でリカーにしている家庭が多いです。ただコップは洗わずに皆で使いまわしている家庭が多いので気をつけて下さい。空港などで売っている象の絵が可愛いボトルに入ったものは、コンデンスミルク味のクリーミーなお酒でお土産として人気が高いです。

ルイボスティーやインスタントコーヒーはどの家庭でも大抵置いてあります。イギリスからの普通の紅茶は、皆さん揃ってブランド名で「FIVE ROSES」と呼んでいます。日本人がよく絆創膏を「バンドエイド」、カナダ人がティッシューの事を「クリニックス」と言うのと同じ事でしょうか。最初から砂糖とミルクを大量に入れたミルクティーを出してくれる事も多いですが、ブラックがいいと優しくお願いするとかなり驚きながらも喜んで作ってくれます。小さいコップでも砂糖を6杯も7杯もいれる人もよくいて、貧しい家庭でも砂糖代には太っ腹です。貧しい田舎の方では、「ティーバッグあったらちょうだい」と何度か聞かれた事があります。

最近グリーンティも人気で良く売っていますが、私は美味しいと思える緑茶にはまだ出会った事はありません。中国人が経営する食料品店に行くと、質のいい緑茶を始め、まあまあ通用する日本っぽい調味料なども買えます。手作りのお豆腐や冷凍餃子を売っている店もあります。中華料理にもよく使う干し椎茸や乾燥昆布は売っていますが、和食用のだしパックや粉粒は見つかりにくいです。売っていたとしてもとても高額です。

日本のようにドリップコーヒーを飲むのは、白人のみ又はほんの一部の町に出て来ているモダンなアフリカンだけです。アイスコーヒーは存在しません。お店で下手に頼んでしまうと、コーヒー味っぽいミルクシェイク(日本でいうミルクセーキ)が生クリーム大量トッピングで出てきて、かなり甘いです。白人が多い都市では、ショッピングモールに行けばほぼ間違いなく質の高い豆を使ったドリップコーヒーのカフェがあって、匂いを辿るとドイツ風カフェが見つかります。

骨付きスプリングボックのブライ
この鹿肉は絶品。南アフリカ代表ラグビーチームの名前にもなっています。

年に一度の雨季には、地元の地理に詳しい住民が自ら収穫して、ほぼただ働き価格で安く売っている珍しい巨大キノコもあります。天ぷらやソテーにすると美味しい椎茸のような味でかなりお勧めです。滅多に手に入らないので、道路の横で売っている人を見たらすぐ車を停めて買わないと、次の車に間違いなく横取りされるでしょう。ナミビアは気候が乾燥しているので、基本的にキノコ栽培には向いていませんから、お店では白と茶色と呼ばれるマッシュルーム2、3種類しか売っていません。

日本では夏によく好まれている冷たいご飯や麺類は、こちらでは基本的に見かけません。温かくない食べ物イコール残り物というイメージがあるみたいです。 

Q. 現地の人々はどのような生活習慣や宗教観を持っていますか? 現地特有のマナーなどはありますか?

田舎では今でも突然のアポなし訪問者でも快く歓迎する、つまり椅子を出して座ってもらってからゆっくり談話した後に温かいご飯を料理して一皿振る舞う、という昔ながらのもてなし文化が健在です。

その名残りのせいか、町に住んでいても近所の人との交流が深い家庭が多いです。例えばケトルや携帯電話の充電器などをいつでも貸しあったりしています。

近所の家が、例えば火事とか病気で困っていると、皆が集まって助けようと会議したりしています。交通事故があると、様子を見守っている見物人が多い光景もこういった背景から来ているのかもしれません。

田舎の親戚内でよく聞くケースでは、皆で一丸となって協力して一人の若者を大きな市に送り出し、出費の多い大学で学歴をつけてもらい、高収入の会社に就職させ、その後仕送りしてもらおうという大きな夢を持っていたりします。ただ最近ではその後結局学校を卒業できなかったり、卒業後に仕事が見つからなかったりというケースが増えてきています。

10代の女の子が学生のうちに妊娠してしまうと、産まれた赤ちゃんは早くから田舎のおばあちゃんに育てられるというケースがかなり一般的です。このような子供が学校に行く時期になると、大抵の場合は仕事を持つおじさんが学費と生活費を出します。こうして親戚の家にお世話になって育っていて、実の両親とは暮らした事がない子供もとても大勢います。特にそのような経緯で親戚のお家に居候している子供は、家事を毎日手伝ったりしています。学校は朝早く始まって昼過ぎには帰宅出来るので、午後は洗濯、アイロン、夕食の準備に食器洗いと幅の広い家事を任されている子供の姿はよく見ます。

自転車のおじちゃんから安い野菜を買うなら午前中に。午後だと商品が温まっています。

町では駐車場や赤信号で待ち構えている物乞いもよく目につきます。待ち構えている物乞いの中には、例えば近所の赤ん坊を借りて貧しい身なりをしては「赤ちゃんにミルクを買って下さい」などと嘘のお情け作戦で仕事にしているタイプもいます。お店の外で買い物カートのお片付けのお手伝いをしてくれたり、オーライオーライとバックで出る時に見てくれたりする警備員タイプのやる気ある人には、1、2ドル又は5ドルなどの程よいチップをあげています。

あげないと逆切れされて車に傷をつけられるのが怖いから、いつも多めにあげると言っている友人もいます。ただ注意したいのは、あまり大金をあげても相手の経済観念を壊してしまい、逆に申し訳なくなりますので、コインで十分だと思います。お手伝いもしないでお金だけ欲しがっているやる気のない子供などは、私はお金をあげても何に使うのかが心配なので、聞こえないふりをしています。孤児院などに住んでいてただで配給される食事に不満を持った子供が、町で物乞いしてはお酒やたばこを買っているという話も聞きます。

お店の駐車場などでよく歩き廻って手作りのお土産類、ほうきやバケツなどを売っている人達は、物乞いするより自分に出来る事をしようと一生懸命働いているので、私はたまに応援する意味で買ってあげます。かなり低価格設定です。

ただ、売っている商品が携帯電話、皮のバッグ、車のシートなど高額な品物の場合は、大抵の場合盗まれた製品を小売りしています。一度あまりの破格で売ろうとしているブランド品を勧めてきた相手に、”どこでそんなに安く仕入れたの?”と聞くと”そういう事は聞かないで”と答えました。ただ、道端で地面に座って布の上に商品を置いて売っているお店は合法です。

宗教は一般的にクリスチャンが多く、アフリカンはかなりの田舎の貧しい家庭でも聖書が一冊家にあったりします。日曜日になるとアイロンも電気もない家庭でもなんとか工夫して、布団の下に置いてしわを伸ばしたりしたYシャツを着たりして、精一杯の正装で近くの教会に歩いている人をよく見かけます。

新しい教会が頻繁に出来ていて、サーカスのような大きめのテントで人を集めては、プラスチック椅子を各自持参して集まっている様子も面白いです。

白人の区域ではオランダ改革派教会が主流です。家族代々の教会に所属する方がほとんどで、日曜日以外にもよくイベントなどで集まっています。

アフリカンに支持者の多いペンテコステ派の教会になると、賑やかに一日中歌って踊ってお祭り騒ぎしています。安息日の教えや地獄や裁きの日に関する教えを強調している教会も多いようです。

オシヘレロ族は先祖崇拝をとても尊重している点が日本の宗教との共通点です。オカカララの奥地などで、炭を置いて丸く囲ってある場所を見つけたら、それは現地人に「HOLY FIRE」と呼ばれるご先祖様とコミュニケーションする特別な場所ですので、絶対に近寄らずに、敬意を示すといいでしょう。

アルコール依存症は大きな問題で、週末やとりわけ月末のお給料日後には酔っ払いが道まで溢れていて危険です。中には酔った勢いで喧嘩が勃発し、ビール瓶を割った凶器で刺しあいになったという事件などもよく聞きます。

月曜日になると必ずと言っていいほど、週末の事故の形跡、酔っ払い運転の車に突っ込まれた信号機や倒れている電信柱を見ます。家族の稼ぎ手が毎月末に数日で給料を飲み倒してしまう家庭は、食費や学費が残らず貧困に陥っている事がかなり多いです。

部族毎に多少のマナーに違いはあるものの、お年寄りへは絶大なる敬意を示し、子供は親に呼ばれたら直ぐ返事して何でもお手伝いするものという教えは広く共通しています。

知らない人にでも挨拶するのが常識です。クワンガリ文化では、年上が先に挨拶するのが決まりなので、お互いに自分が年下だと思って敬意を払って待っているといつまでたっても挨拶がなかなか始まらないという時もあります。 

気候

乾季にはこういった水飲み場で静かに待機していると、喉が乾いた野生動物が水を飲みに来るのが観察できます

Q. 現地はどのような気候ですか? 健康維持のために気を付けるべきことはありますか?

北部、海岸部、内陸部、南部で違いますが、基本的に朝晩はやや冷え、日中は冬でも温かいです。

海沿い一帯が暖かい時期には、内陸は寒いという逆の季節になるので、例えば首都ウィントフックに住んでいる家族は、12月の夏休みを活用して涼しい海岸部のウォルビスベイに滞在して夏を超すというスタイルが大人気です。

砂丘に登れるのが観光客に人気のウォルビスベイ近辺や南の港町ルドリエッツでは、海からの気流が砂漠とぶつかる特殊な地形のため、強風と砂埃で特に午後には外に出れない日が続いたりします。慣れていない観光客には、強風に耳をやられてメニエル病になる方も多くおられます。一日で7回天気が変わると言うほど、朝には曇り空で冷えていても、昼過ぎには汗が出るほど天気が良くなるという天候の変化も普通です。

とにかく気候は住むところでかなり違うので、健康維持の知恵を得るには地元の方の真似をするのが一番いいと思います。薬局は休日週末もだいたい夜まで空いているところが多いので便利ですが、場所の確認が必要です。

基本的には砂漠の国なので、日射が強く乾燥しています。それゆえに、鼻血が出たりしやすいです。乾燥している上に日光がかなり強いので、日焼け止め入りのリップクリームを常に塗ると、唇に出来安い水膨れの予防になります。

数年前のことですが、現地で売っている石鹸などの強い匂いが苦手という理由で、わざわざ日本から持参している日本人の友人もいました。よほどお肌が敏感な方は地元の石鹸などは肌荒れの原因になるかもしれませんが、最近はナテュラル系のスキンケア製品も都市のドラッグストアなどで割と簡単に買えます。 

Q. 現地特有の風土病はありますか? 健康維持のために役立つ対処方法はありますか?

オカバンゴリバーでよく見るぼーっとしている風のカバは実は超狂暴です。地元の方は絶対に近寄りません。

北部のルンドゥなどでは真夏になると地元人はよく川で水浴びしますが、寄生虫をピックアップしてしまうこともありますし、ワニもカバもいますので、慣れていない日本人はぐっと我慢して入らない方がいいと思います。

ハイシーズンではマラリアも多いので、蚊よけスプレーを使う・蚊よけネットの真ん中で(腕や足をネットに接触しないで)寝る・夕方以降の外出は避けるなど基本的かつ大事な予防策を守るといいでしょう。

コロナ発生以来全国的に手洗いの習慣が改善されたお蔭で、ナミビア全体での一般的な病気の感染率は下がったそうです。

今でもHIVは根強く残っていて、特にカプリビ地方カティマなどでは、ひどい時には4人に1人の高い割合の感染者がいたと言われています。

季節に関わらず、貧しい地域に行くときには、サンダルなど足先の肌の露出したものは避け、暑くてもスニーカーなどの靴をはいて足元をカバーした方が安全です。汚水管が頻繁に爆発しますので、汚水だらけの道を歩くと、足の小さな傷からバイ菌が入ったりして何か月も病気になる事もあります。

日光が強いので質の良いサングラスは必須です。安物のサングラスのみ使っていた友人が、白目にしこりが出来てしまい摘出手術をする羽目になりましたが、術後に安静のため2週間以上も目が使えずとても不便だったそうです。手術の費用も莫大で、その辺の中古車タクシーが買えそうな額だったそうです。 

言語

葡萄のファームの事務所に張ってあった「居眠り禁止」サイン

Q. 現地の人々はどのような言語を用いていますか? 外国人にとって、現地の言語を学ぶ際に、どんなハードルがありますか?

若い世代は、家庭では部族語を話すけれど、読み書きは学校で習った英語を好むという子がほとんどです。お年寄りになると英語よりもアフリカーンス語が得意ですが、看板などはほとんど共通語の英語です。

日本の方言と同じように、アフリカンの友人の部族特有の言い回しを学ぶと、その背景となる文化が理解できて面白いです。例えばルクワンガリ語では英語のように「私はあなたを愛している」というストレートな表現はないそうです。その代わりに「私はあなたを、自分の足が地面を大好きなくらいに慕っています」というとてもかわいらしい表現があります。

オシワンボ文化では、敬意を払う意味を込めて年上の人の目を見ません。相手の足のつま先辺りを見ながら返事をするのが普通です。日本人の様にLとRを混合して英語を話す事が多いので、例えば飛行機なら「エアロプレイン」と発音したりしています。

アフリカンの会話では、はっきりとしたお断りの返事は苦手です。正直に言って相手を傷つけてしまうのを避ける気遣いから、やんわりと答える事が多いところは少し日本語文化と似ていると思います。そのため、英語で会話していても、結論が分かりにくいという事はよくあります。上手く断われない気質なので、仕方なく居留守を使ったり、偽の携帯電話番号を教えたりする事も多いです。

元来のアフリカン現地発祥の言語にはこれと言って気軽な「ありがとう」に相当する単語がない事が多く、強いて感謝するときには物凄く大げさな文章になってしまうそうで、日常生活ではあまり使わないとの事です。小さなお願いをする時も「してください」という代わりに、声のトーンを柔らかくしている事が多いです。外国人が初めて聞くとなかなかわからないかもしれません。

オシワンボとヘレロではアフリカーンス語の単語でのありがとう「DANKIE」を借りて「タンキ-」と言います。クワンガリ語では「MPANDU」という単語があります。それぞれ「UNENE」「TJINENE」「ZONENE」が後についていると「どうもありがとうございます」という豪華バージョンです。なんとなく似ているところが可愛い響きです。

アフリカンの友人には、何個も名前を使いこなしている方が多いです。部族語の名前には意味が含まれている事が多く、「朝に産まれた」「幸せ」とか「これで最後」などなどお母さんの出産後の思いが込められていて興味深いです。これを踏まえて、アフリカンのお友達が普段は英語名で名乗っていても、部族名の本名にはどういう意味があるのかと尋ねると喜んで教えてくれます。これが意外と単語を覚えるのに役立ったりもします。ミドルネームがいくつもある知り合いがいたら、由来を聞いてみると面白いですね。

アフリカーンス語はドイツ語と似ていて、口を大きく開けて発音します。女性でも声を大きく出してはきはきと発音する方がいいです。喉に痰が絡んだ時のような音や巻き舌も必要です。ただついそればかり意識し過ぎて強調しまくると、かえって相手にはかなり不自然に聞こえるそうですので、その辺の特徴ある発音の加減の仕方はネイティブスピーカーによく教えてもらうといいですね。

アフリカーンス文化では、通常男の子ならおじいさん、女の子ならおばあさんのお名前を受け継いでいる方が多いです。 

生活

オカバンゴ地区の伝統的な家
地元の材料で上手に建てる家はとても涼しい設計。壁には牛の糞を使ったりします。

Q. 現地の人々の生活水準はどうですか?

生活レベルは天と地のような差があります。

貧しい家庭になるとその日の生活費が足りなくなるほどで、仕事が見つからない又は給料が低いため最低限の生活を強いられている層が多く占めています。

ナミビアドルは南アフリカランドと同じ為替レートが適用されます。そのため、ナミビアのエコノミーは常に南アフリカの経済に非常に左右されます。なお、主な収入源とされるのは観光業と炭鉱です。

首都ウィントフックのショッピングモール内にある毎日繁盛しているスーパーのレジ係の知人によると、週5日で1日10時間勤務のお給料は一週間で500ナミビアドルだそうです。今のルートで約4,000円前後です。タクシーで通うと片道12ドル約100円つまり通勤代だけで既に週1000円もかかるため、タクシーの運転手と月契約にしたりして安い金額設定にしてもらうなど色々工夫しています。 

Q. 現地の人々の教育水準はどうですか?

10年のみの義務教育制度で1年生をグレード1と言います。

日本で言う小学校の予備校的な幼稚園はあまり一般的ではないです。お勤めをしているお母さんが子供を預ける場所は「DAY CARE」と呼ばれています。

日本との違いとしては中学校がなく、小学校がグレード1-7、高校が8ー11又は10までに簡素化されています。

住んでいる所に関係なく、親の選んだ学校に申し込みが出来ますが、入校審査があります。選んだ学校が自宅から遠い場合には、親が自家用車で送り迎えしたり、それが無理なら信頼できるタクシーに毎月お金を払って代行させたりしています。

田舎に住んでいて近くに学校がない家庭は、子供を寮のある町の学校へ送り出します。休暇ごとに実家へ戻ってきています。

そういった背景の子供の中には、在学中に重い病気にかかって学校を長期間休み、適切な治療を受けられないまま回復が遅れ、グレード10を終了出来なかったという残念な結果になる生徒さんも多いです。本来は賢くて勉強が好きな生徒であるにも関わらず、必要な関心を示してくれる教師不足から、こうして仕方なく高校卒業を諦めてしまい、結果的に家の畑のお手伝いや牛のお世話をずっとさせられている子供もいます。 

最終グレード10は一応ギリギリでパスしたものの、通信簿が悪いためその後お仕事が見つからず、「NAM COL」という有料の大人の塾のような学校に通い直しているケースもとても多いです。 

サン族の子供たちは裸足で駆け回って遊ぶので草むらの雑草の棘が足に刺さって傷だらけ。でも本人達はへっちゃらで元気いっぱいです。

Q. 現地の治安水準はどうですか? 外国人が特に気を付けるべきことはありますか?

ナミビアでは南アフリカなどで日常的に起こっているような大規模な組織犯罪事件というものは耳にしません。ただ英語で言う “Opportunists” つまりチンピラ的な近所のワルが歩き回っては小遣い稼ぎ程度に儲かるスリなどのちょっとした犯罪の機会を探しています。

観光客でよく聞く失敗例は、レストランでの支払い中などに、レシートに気をとられてふと気が付いたら財布が消えていたなどの事例です。貴重品からは一瞬でも目をはなさないようにし、常に手を添えている警戒心を持つなどの基本的な対策が出来ていると狙われにくくなります。

クレジットカードを使うなら、テーブルで待ったままカードを託すよりも、自らレジまで歩いてその場で会計した方が安全です。夜にレストランに行くなら、なるべくお店の前の電灯がある場所に駐車し、お店を出たらさっさと早足で歩きましょう。大抵の地元の方は、万全を図り外に立っている警備員に車を見てもらってチップをあげます。

リュックサックを背負ったままの状態で、混雑したお店に入ると、気が付きにくい後ろ側で簡単にチャックが開けられて中身をそうっと盗まれやすいので、お腹側に回すか腕に下げるといいですね。

外食でテーブルに座るなら、荷物が常に目につくように隣の椅子の上に置くか、膝の上にキープしましょう。どうしてもテーブルの下に置くなら、チャックなどしっかり閉めてから足でしっかり挟んでおいてください。そうすると狙われにくいでしょう。

トイレなどに行く時に席を外すなら、一緒にいる方に見てもらうか、一人なら持って行きます。トイレのドアにフックがあって、そこにかけたカバンの中身を外から手を伸ばしてきた人に盗られたという事もあるので、とにかくどんな状況下でも荷物は常に簡単に自分の目が届く場所だけを探して、他人の手が届かない状態で安全にキープされるように心掛けてください。

タクシーなどで乗り合わせた強盗に襲われた友人は、強盗の母国語で「勘弁してください」とお願いしたら、全て金目の物を盗られた後に、お情けで帰りのタクシー代だけを返金してくれたそうです。

夕暮れにタクシーを降りて、徒歩数分の家までの帰宅中に強盗に遭遇した別の友人は、携帯電話と眼鏡と財布を要求された際に、なるべく抵抗せずに応答しつつ全て相手の要求に応じたそうです。そうしていたら、盗られた携帯電話からSIMカードを取って返却してくれたり、売り物にならない眼鏡のレンズも外して返してくれたり、財布に入っていたIDと免許証なども抜いて返してくれたそうです。不幸中の幸いと言っていました。

夜に一人で歩いていたら、物陰に隠れていた男に石が入った袋を振り回され、顔面に怪我を負って財布を盗られ逃走された外国人もいます。

リモコン付きの安全なゲートを出たすぐ外で、リモコンを盗られて逃走されるという事もありますので、とにかく一人で歩かない、キョロキョロしないで早足で歩くなど、常時きびきびしていると狙われにくいでしょう。夕暮れ後はとにかく徒歩での外出は避けましょう。

観光で来ていた若い女性が、地元のお友達と2人だったので油断したようで、高そうなカメラを首から下げて、ATMからおろしたばかりの現金を持ち散歩していたところ、人影が減った横道まで後をつけてきた男にナイフでおどされ、全て盗られたという事件もありました。幸い怪我はなかったとはいえ、その後警察に行って事件を報告するのもとても時間がかかり、気が遠くなるほど大変だったとの事です。

タクシー絡みの犯罪に関してですが、どうしてもタクシーに乗る必要があるなら、日中にのみに限定しましょう。タクシー乗り場は特にないので、運転手がどこにでもいる歩行者に ‘プープー’ とクラクションを鳴らしては、乗客を探しています。行き先を告げて運転手との合意の上で乗ると、運転手が他のお客さんとの乗り合わせの都合に合わせて運転ルートを自由に決めます。結果的にかなり遠回りされる事も日常茶飯事です。

通行人の少ない小道は避け、安全な地域のみの利用に限定し、出来る限り現地に詳しいナミビア人と一緒に乗るようにした方が原則的に安全です。現地のルートや料金に通じていないと、外国人という不利な状況に付け込まれ、遠回りした上に何倍もの不当な料金を請求されるかもしれません。お釣りのないように小銭を準備しておくと、運転手がお釣りをくれない場合の不必要かつ面倒なやり取りを予防できます。

運転手と、助手席に乗っている客と見せかけた男性が、実はグルで、新規の客からかっぱらうことを企んでいるケースもなくはないので、満席に近いタクシーは避けましょう。又は既に女性がお客さんで乗っているタクシーを選びましょう。

ナミビア出身の若い女性でも、安全と言われている住宅街で、車で到着後に一人で待ち合わせの相手の到着を待っていたところ、後ろから急に歩み寄って来た男に何を言わずにナイフで腕の後ろを切られた上にハンドバックを奪われた事件がありました。バッグの中には数百円しか入っていなかったのに、腕には大きな傷が残りました。

ハンドバックなどは持たない、財布も小さいものにして手に持って移動しないか、ジャケットの内ポケットなど目立たない場所に保管するといいかもしれません。手に持たないのは大原則です。常に周りをよく観察しつつ、後をつけられていないかどうかに注意を払いましょう。

ピアスやネックレスも自分では偽物の金と分かっていてもひったくりに本物と思われ狙われて、むしり取られてケガをした友人もいます。

金曜日の午後から日曜日までは飲酒が激増する為、犯罪事件も多いです。急用以外には一切自宅から出歩かない方が賢明です。

特に “シャビーン” と呼ばれる大衆酒場では流血事件がとても多いです。たまたま飲みに行ってた先で他人の喧嘩に巻き込まれ、ピストルの流れ玉に当たって殺された又はナイフで刺され全身麻痺になった地元の方などもおられます。

運転中に後ろを走っていた車に後をつけられてハイジャックされるという事件も(お隣の南アフリカほどは頻繁ではありませんが)無くはないです。とにかく目立たない安い車に乗った方がずっと安全です。後をつけられている気がしたら、そのまま最寄りの警察まで運転して中に入りましょう。これで大概は追ってこないですが、念のために警察から自宅までエスコートをお願いするとさらに安心です。

オートロックがない車なら必ず内側からロックしないと、赤信号待ちでドアやトランクを開けられる恐れがあります。信号待ちで寄ってくる物売りや物乞い相手に窓を開ける事はお薦めしません。

ガソリンスタンドでも給油中には車を離れず、間違った種類のガソリンを入れられないように、又は給油口に大量にガソリンをこぼされると車の塗装がダメージを受ける事もあるので、何気なく給油しているスタッフの傍に立ってお話しながら優しく監視するといいでしょう。カメラやカバンなどを座席に置きっぱなしにして見張るのを怠ると、店員や通りかかりの客に一瞬で盗まれる事もあります。ガソリンスタンドでトイレやコンビニに行くなら必ずドアロックを忘れないで下さい。

鍵付きATM

ATMで現金を下ろした直後に、特に一人歩きの若い女性やお年寄りが強盗に遭うという事件は頻繁にあります。どうしてもATMを使う場合には、必ず日中のみに利用し、出来る限り人通りの多い場所と時間を選びましょう。最近は数が少ないとはいえ、中から施錠が出来る個室に設置されたATMもあります。それでも、ATMの用事が終わったら、急ぎ足で緊張感を持って移動して下さい。

万が一誰かに話しかけられたら、相手がびっくりするくらいの音量の大声で断りましょう。すぐその場を去るか、警備員などを呼ぶと相手はすぐにいなくなるはずです。前もって警備員にお願いして背中周りを見ていてもらうか、地元のお友達に一緒に来てもらうともっといいですね。

お年寄りや現地に不慣れそうな観光客を狙ったグループが、ATMで親切なふりをして近寄ってきて、暗証番号を盗みとったり、カードをすり替える手段を使ったりしたという事件は少なくとも数件聞いています。

とにかく忘れないで欲しいのが、(何度も繰り返していますが)犯罪者から見ると私達はカモにしやすい外国人です。特にアジアンは目立つので尾行しやすいという理由もありますが、何より自動的にお金持ちと思われています。つまり現金や携帯電話やカメラや時計など高そうなものを所持しているだろうという先入観が持たれており、狙われ易いターゲットだと言う事を忘れないで下さい。

そのため私は出来るだけシンプルな恰好をしています。機会があるごとに、自分はボランティアでナミビアに住んでいると説明し、なるべく誰にでも友好的に接するようにもしています。そうすると、相手がこちらを外国人とはいえ地元人とみなしてくれて親切にしてくれる事が多いです。つまり危ない時には警告してくれたり、仲間のように親身に守ってくれたりする可能性が上がります。

地元人にもよくある被害は、うっかりと駐車中の車中にショッピング袋や携帯の充電器やジャケットなどを目につく場所へ置き忘れたところ、戻ったら窓が割られていて、修理するのに何万円もかかったというケースです。トランクを開け閉めすると注意をひくので、駐車前には出来る限り避けましょう。どうしても物を置いていくなら、シートの下に隠すなど、窓から覗いても見えない状態にすることは、手間が掛かるとはいえ数分で出来る大事な防犯対策です。私も始めはこういった細かい防犯対策の実践は面倒に感じていましたが、今ではほぼ無意識に出来る生活の一部になったので、もはや全く苦になりません。

ナミビア政府の郵便局を使った国際郵便はお薦めしません。何故なら、郵便物がいったん迷子になると何ヶ月も見つからなかったり、潰れて発見されたり又は一切見つからないまま放置されます。盗まれたという証拠を提出することは気の遠くなるようなプロセスが必要ですし、それも全て自分一人でする始末になりますので、それにかかる時間と莫大なストレスを考えると最初から利用しない方が本当に賢いと思います。 国内郵便物も頻繁に行方不明になります。

Q. 現地の住居や住環境の様子どうですか?

外から中が見えない設計の塀&門には「犬に注意」(噛まれても知らないよ)警告サイン

ロークラス(貧困階級)では月に1万円前後の家賃で小さな掘っ立て小屋を借りている家庭が多いです。ドアが外からかけるタイプの錠のみで簡単に壊せるので、よく泥棒に入られてはフラットスクリーンテレビ始め携帯電話を盗まれたり、充電器のみ盗られたり、靴や服や食品なども持っていかれて困ったという話を聞きます。

窓がないアルミの小屋では夏場は中がサウナ状態になりますので、木の木陰にお布団をひいてはお昼寝している姿の人をよく見かけます。冬は逆に隙間風が吹き込み放題な小屋の中は、まるで外と同じ気温、つまり冷蔵庫のように寒いです。ネズミやサソリなどがよく入ってきて困っているところは、石などを積んで穴を塞いでいます。雨の日は屋根からの雨漏りや浸水もよくあります。

塀がない又はあっても飛び超えられる高さの家の場合は、目につく場所に洗濯物や靴やバケツ、ほうきやホースなどを長時間置いておくと、通りかかった子供などに盗まれるのか頻繁に紛失します。この為、洗濯物が乾くまで外に椅子を出して見張っている子供もよくいます。

特に一階の窓には「バーグラーバー」と呼ばれる枠をつけている一軒家やアパートが多いです。窓ガラスは割と簡単にさほど音もたてずに割って侵入しやすいのと比べると、このバーは鉄で丈夫な造りなので、手間と時間を惜しんだ泥棒が諦めてくれるようで、防犯効果が高いです。近所に家があった方が、裏が草むらで逃げやすい場所よりも安全です。

万が一、家の目の前でナイフや銃を持った強盗に出くわしても、なるべく落ち着いて相手の顔をじろじろ見ないで協力しましょう。所持金や携帯電話などをすぐあげたりすると怪我はしない事が多いです。

中級から高級クラスになると煉瓦のブリックで建てた家が一般的です。犯罪防止に犬を飼う家が多いので、家の前の道に飛び出してきた犬に噛まれたりしないように注意して下さい。

一軒家ではシェアハウスのように台所や浴室共用で借りている現地人もいますが、犯罪や衛生面を考えると日本人にはお勧めしません。

ハイクラスの家はプールや大きな庭付きが多く目立つので、泥棒侵入防止のため、毎月警備会社にお金を払っている家庭が多いです。触るとビリビリする電気ケーブルが走っている柵を設置して侵入防止を図っているお家も多いですが、それでもたまに雨が降ると故障してしまい、それがばれて泥棒に入られるケースも起きます。故障していなくとも、車の床に敷く分厚いシートや毛布などをかけて電気ショックを防ぐ方法で簡単に乗り越えて侵入する泥棒もよくいるようです。塀が乗り越えにくいように針金に針が突き出たものをぐるぐる巻きにつけている大きなお家もよくあります。見た目は悪いですがこれが一番安全です。

治安があまりよくない地域では、週に一度のゴミ出し用に外に置いてあるキャスター付きの大きなゴミ箱を梯子代わりに使われて頻繁に泥棒が入って困っていると言う住人の方もいました。

連休などで家を留守にする時には、必ず友人などに泊まりに来てもらって夜でも外の電気をつけてもらう事が普通で、それだけでも空き巣狙いに狙われる確率がかなり減るようです。

オシワンボ族の好きなブリキの掘っ立て小屋はどれを見てもほぼ同じなのに、地元の方は決して迷子になりません。

お年寄り用などに離れに台所と浴室付きの独立したアパート風の部屋を建てて、空室の場合は貸している家庭も多いです。こういった本宅に属したアパートは比較的安全なのでお薦めです。庭にあるバーベキューやプールも使っていいよという気前の良いオーナーも多くいます。こういう離れの物件だと家具付きも多く、水道光熱費が家賃に含まれているものもあります。待遇の良いものでは、ハウスキーパーのお掃除洗濯アイロンサービス付きで、月6-7万前後というお得な長期ステイハウス風の快適なところも数は少ないですがあります。

ナミビアは煉瓦のブリックやセメントが安く、木材は手に入りにくいので、お金持ちのドイツ人が立てた古い家以外は、木造住宅はほとんどないです。タイルの床がほとんどなので、家の中は、夏はひんやりとして掃除も楽でいいですが、冬になるとかなり冷えます。ただ冬は3か月と短く、日中は少し温まる事もあるせいか、地元の方はわざわざヒーターを買おうとは思わない様です。朝晩家の中でもコートを着たり、湯たんぽを使ったり、毛布をかぶったりして、ひたすら耐えている人がほとんどです。台所に大きなオーブンがあったら、オンにして扉を空けたままにすると、ヒーター代わりに活用出来ます。

近くに夜まで空いているレストランがあるなら、特に週末は深夜まで、又は教会があると日曜日に騒音があると覚悟して下さい。アパートなどでも、住人が飲み会兼ダンスパーティ好きだと、音楽の音量は容赦ありません。静かな地区になるとたいてい家賃が上がりますが、家で普通に寝られる生活を守りたいなら、お金を払う価値もあると思います。

ホームステイするなら、白人のご家庭では大抵ハウスキーパーやガーデナーが出入りしていますので、物が紛失してしまってお互いに嫌な思いをするのを避ける為に,小さくてポケットに入れやすい高価なものをなるべく目に見える場所に置いておかないようにしましょう。水道や電気などの修理で業者さんを呼ぶときにも、終始同じ部屋にいるようにして、目を離さない方がいいです。 

Q. 現地の生活インフラ(水道・電気・ガス・インターネット)はどの程度整っていますか?

町の貧しい地域では、政府の設けた水道に大きなバケツ持参で水を汲みに行きます。よく子供が駆り出されては10リットルなどの重いボトルを運んでいます。

違法にも関わらずよく見る光景としては、ある一軒の家に電気コンセントがあると、近所中で寄ってたかって延長コードと繋いでは自分の住居まで必死に引っ張っては無理矢理に接続しています。そうなると、しばらく地面に放置された延長コードが日光で古びてしまい、雨が降った直後に近くで遊んだ子供が怪我をして死亡することもあり、かなり危険です。火事の原因にもなります。

田舎地区では水道も電気も予告なしに止まる事が頻繁にありますので、水を汲み置きしたり、キャンプ用のガスボンベで料理出来るように準備しておいたりするといいでしょう。懐中電灯やロウソクやマッチも常備しましょう。

自然の多い地域では、特に夜に暖気を求めてサソリなどが布団の下に潜り込んでいたり、靴に入り込んでいたりします。温もりを求めて蛇もよく家に侵入します。気が付かずにうっかり刺されて病院に行く方も多いので、必ず注意して下さい。

電気代はプリペイドで、払った金額分だけ自分で自宅の機械に番号を入力します。チェックし忘れると使い果たした時点で警告もなく止まります。

政府の水道サービスは、庭などにあるメーターを読みに来る昔ながらのスタイルです。自分の家の前の公道に水漏れがあったりして、誰も気が付かないことがあります。それが自分のメーターに請求されてしまったりすると、返金してもらうのがとても面倒なので、常に料金を確認して下さい。

料理やヒーター用にガスが取り付けてある家は少なく、稀にあったとしても、大きなボトルが空になると自らお店に持って行くスタイルの交換になるので、非常に不便です。ほとんどの家庭では電気プレートで料理します。ガスヒーターやエアコンがある家庭は少ないです。

アフリカーンス語で「ギザ~」と呼ぶ湯沸かし器
このようにカバーで覆うと、特に冬はお湯を沸かす時間と電気代の節約になります。

田舎では今でも毎朝外で火を焚いてお湯を沸かしたり、足のついた黒い窯を使ってご飯を作ったりしています。

水道水は基本的に料理や掃除、シャワーには安心して使えます。ただお風呂は壁に設置されている湯沸かし器で沸かすので、温かいお風呂に必要な量のお湯を沸かすのに(特に冬は)何時間もかかる時があります。風呂なしシャワーのみの家も多く、浴室にシャワーとトイレが隣接しているとやや不便です。大きなお家だとトイレが二つ以上ある事も多いです。

ルンドゥなどでは浄水制度が不十分です。近所中の人が毎日の洗濯やお風呂、ひどいと子供のトイレや洗車などもしている汚れた川の水が、蛇口からほぼそのまま出てきますので、慣れていない日本人は沸かさずに飲むとすぐ下痢になります。サラダやフルーツなど、水道水で洗ってある生ものは避けた方いいでしょう。地元の友人で水道のフィルターを使っている人はいません。一部の会社などの公式の場で浄水器があったとしてもフィルターの交換がされている保証はないので油断は禁物です。

町ではお店でボトルのお水がよく売っていますが、かなりの田舎に行く予定なら、遠くに行くほどお店が減りますので、最後に寄るガソリンスタンドで買いだめしたりして、ご自分で前もって十分な量を確保してください。

小さな村になると、地元の人によく売れるビールやコーラはあっても飲料水を売っていないキオスクがほとんどです。売っていたとしてもかなり古いものが多く、生温かったりもします。

サファリパークが人気のエトーシャなどでは、水道水がかなりの硬水なので、歯磨き時に口を濯ぐだけでも慣れない外国人のお腹を壊す原因になり得ます。そのため現地の観光客向けのお店ではボトルのお水がだいたい売ってあります。

乾季が長く続いた故に水不足が深刻になると、国中でお庭の水やりや家庭での洗車が規制されます。深刻な年だと課税対象にまでして、水を節約する努力をしています。

インターネットはアフリカ内では優秀な方だと言われています。携帯電話で使えるプリペイドプランでは、8日間で400円弱払うと、3ギガバイトのデータ容量だけでなく10時間以上の無料通話がセットになっています。

激しい雨が降ると、通話用のネットワークやインターネットの調子が悪い日が出てきます。雷がアンテナを打つと壊れてしまい、修理するまでの1,2日間ほど近所全体が接続不能になる事もまれにあります。こういった天気の日は、冷蔵庫やコンピューターや携帯電話の充電器などのコンセントを抜いて置くことで雷による電流のショートを避けることができます。

週末や、午後6時以降会社から戻った近所の人達がオンライン状態になると、接続が遅くなるので、重い資料のダウンロードなどは日中にするとずっと速いです。 

Q. 現地のレストランやファーストフード店、露店など食品を扱う店の衛生状態はどうですか?

大きな町ではKFC(ケンタッキー・フライド・チキン)が一番人気です。ドライブスルーに行列が出来ていて、道路まで渋滞していたら大概はKFC待ちの列です。大抵トイレも清潔に保たれていて、特に何も買わなくてもお手洗いのみ快く使わせてくれますので、一番のお薦めです。

似たようなチキンのチェーン店やバーガーなどのファーストフードもよく見かけます。ただソフトクリームやサラダなどカップに注ぐドリンク系の冷たいものは、衛生上避けた方が無難です。席で食べるオーダーをしても、テイクアウトと全く同じ状態で袋に入れてくれます。日本で見るテーブルで使うトレイやお皿は盗まれやすいのか、使っていません。テーブルの上だけでなく、椅子の上などにも前の人の食べ残しなどよくあるので確認して下さい。日本ではただで貰えるおしぼりティッシュなどはありませんので、私は常に(本来は赤ちゃんのお尻拭き用)ウェットワイプを常備しています。

白人がよく行くレストランでは、お金を払うのにまあまあ納得出来るお寿司や、日本より安くて種類の豊富なヨーロピアンフードが注文できます。

コロナになって以来、地元の人の手洗い習慣は改善されているそうですが、それでも飲食店や公共施設などでは予備を置いておくと盗まれるので、石鹸やトイレットペーパーがよく切れています。なので、店員の手洗いや衛生面レベルは完全保証できません。

外食やテイクアウトするなら、値段が高くてもヨーロピアンに評判のいい飲食店をお勧めします。特にドイツ風のパン、ビール、コーヒー、ソーセージやチーズは日本よりずっと安く本格的です。

露店のホットドックスタンドなどは安くて早く買えるとはいえ、基本的に避けた方が下痢や食中毒の予防になります。貧しい層に人気なドーナッツは高温の油で揚げていますが、地元の友人に食べたがらない子がいて何故かと理由を聞いたら、「売ってる人の家で粉を混ぜる時にハエやゴキブリが侵入していてもおかしくないから嫌だ」そうです。タッパーの下のものは残りもので古い可能性が高いので要注意です。

露店などではもちろん水道がないので、バケツで水をキープしていますが、このバケツに口をつけて直接水を飲んでいる事なども多いので、そのこともお忘れなく。

スーパーで売っているカット野菜やフルーツサラダなどを食べて病気になった外国人もいます。ゆで卵なども、特に暑い時期には高い室温の状態で何日も放置されている可能性が高いので避けましょう。 

ナミビアの床屋で人気のスタイル
夏に中に座るとサウナ状態なのでついでにいい汗かけます。

Q. 生活に必要な安全な飲用水はどのように調達しますか?

この国での水道水は水不足対策のため、汚水を浄水してリサイクルしています。慣れていない外国人には消毒薬物の匂いがきついです。飲めないことはないですが、味が良くないのと、ミネラル含有率が高い為、慣れていない外国人はお腹を下しやすいです。

アンゴラ人は水が豊富な国から来ているのでウィントフックの水道水はどうしても慣れないそうで、リフィルが出来るスーパーなどに大きなボトルを幾つも持ってきては重いカートを必死に押して持ち帰っている様子をよく見かけます。

会社などでよく見るボトル入りの飲料水を売っているお店もあるとはいえ、個人向けの交換の配達サービスはしないので、車がない家庭には向いていません。

ケトルで沸かした水道水を冷まして飲むという手もあります。沸かす時に水の中のカルシウムが白く浮き出てきますが、慣れれば飲めなくもないです。

浄水器は1万円くらいで買えます。 

Q. 現地の交通事情や交通機関の様子はどうですか?

日本と違って車検制度などが緩いので、故障したタクシーなどが立往生している様子を頻繁に目にします。そしてタクシーはどこでも急に止まってお客をピックアップするだけでなく、急な停車や無理な追い越しが普通ですので、車の運転は慣れていないと怖いと思います。特に交通量の多いメインロードなどの運転は不慣れなうちは避けた方がいいかもしれません。

赤信号では日本では ‘そろそろ危ないから減速しよう’ と反応するドライバーが多いかと思いますが、ナミビアではほぼ全員 ‘今のうちに加速しよう’ です。

高速道路では、徒歩でゆっくり横断する近道の好きな地元の人が、高速運転中の車にひかれる事故が絶えません。

特に雨が降った後の夜の高速道路は、アスファルトに穴が開いているのが見えない為に普段の高速スピードで運転していると危ないですし、たとえ昼でも道路が濡れているのに慣れていない運転手による事故が多いです。ナミビアの道路のアスファルトは、日本の舗装道路の様な雨の後にスリップしにくい素材は使われていません。

砂の上の運転には高い技術が求められます。スピードを出し過ぎてスピンしてしまう、又は4×4のギアの調整加減が分からずに結果的に砂に埋まってしまう観光客がとても多いです。

ウィントフック市内では市バスも一応は存在しますが、朝晩通勤用に2回だけ運航しています。予定時間通りに来る保証がないので、遅刻する覚悟がある地元の人のみが、料金が安いので利用しているようです。

長距離の移動は夜行電車もあるにはありますが、かなり音がうるさくプライバシーも無いうえに犯罪も多いのでお勧め出来ません。隙間風が吹き込んで来るのでとても寒いそうです。

車で長距離運転をするなら、野生動物が道に飛び込んできて事故が多い夕暮れ時と夜間を避けて下さい。

道路は日本と同じ左側通行ですが、それに慣れていない外国人が混乱した為に起こす事故に巻き込まれる可能性もあります。車間距離を置き、向こう側が確認できない坂道ではスピードを落とすと安全です。

12月のクリスマスなどの休暇の時期には飲酒運転が増えるので、運転しない方が賢明です。毎年高い確率で事故があり、数名の死者が出ています。また連休前後には金曜日の夜や日曜日にスピードを出して運転している旅行者が激増するので、事故率がとても高いです。

長距離移動の結論としては、外国人旅行者の大多数が、料金は高めでもヨーロパ系の会社が運営している高速シャトルバスを利用しています。掃除が行き届いているバス内では、座席も快適で騒音もないので眠れるのが利点なだけでなく、荷物がなくなるなどのトラブルも少ないようです。

基本的に外国人で乗り合わせのタクシーを頻繁に利用している人は滅多にいません。とはいえ、RADIO タクシーと呼ばれるビジネスがあります。数倍の料金がかかりますが、お家までピックアップに来てもらい、行きたいところまで直接送ってもらえますので一番安心です。女性運転者が特にお薦めです。

こうした背景を考えた上にあえてご自分で運転されるなら、せめて慣れるまでは地元に詳しい人に助手席に座ってもらい、道に迷って不慣れな犯罪の多い地域に入り込まないようにくれぐれも注意してください。

現地の方は自動者保険に入らず運転している方も多いようです。もし他の車とぶつかったりしたら、小さなへこみなどに関してはドライバー同士で交渉して修理代の負担額などを決めているようです。自動車保険に関する注意事項としては、交通事故が原因で発生した通院代は一切カバーされません。それで旅行保険がない方は治療費はご自分での全額負担になります。

田舎での交通手段
徒歩よりグレードアップすると馬、もう一段上がるとドンキーカー(ロバ車)

Q. 現地の医療水準はどうですか? 医療費は高額ですか?

政府の病院は、小さい町にもだいたい一軒はありますが、小さい町ほど資格ある医師は見つかりにくいです。首都ウィントフックでは大きな政府の病院が二軒ありますが、常に地元の人で溢れかえっているために、医者や看護婦が人手不足になり、どうしても期待できる医療の質は低いです。病状が何だとしても、ひたすら痛み止めや頭痛薬などを出している医師も多くいるようです。

お金はかかってもヨーロピアンに評判のいいプライベート医院を探した方が質の良い治療を受けられると思います。地元の人に教えてもらうのが一番いいでしょう。

医療保険で一般的なものは、ホスピタルプランという商品で、交通事故や手術・入院代の支払いを助けてくれます。これに入っていると緊急事態の際に待ち時間が少なく、割と即座に受け付けてくれます。

フルメディカルプランになると毎月の支払いが一人当たり2万円以上と高額になりますが、歯科医院での治療代や眼鏡の購入費などほぼ全てのカバーが付きます。 

執筆者:K vNK
執筆年月:2021年7月

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