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各国情報提供

わたしの活動エリア「ウガンダ」へようこそ!

海外社会貢献者からのメッセージ

ウガンダはバナナ消費大国
住宅街にもマトケ(青バナナ)が植えられている

Q. 世界を活動の場とする社会貢献者にとって、この国はどのような場所ですか?

ウガンダは、東アフリカの内陸に位置し、赤道直下にあります。アフリカのパールとも呼ばれ、ほとんどの地域で作物が豊かに実る恵まれた場所にあります。また、白ナイル川の源流であるビクトリア湖を含め湖が30ほどあり、主要な湖では漁業が盛んに行われています。そのように自然が豊かなので、多くの日本人が抱くアフリカのイメージとはかなり違うかもしれません。平均標高1,200mということもあり、私が住む西部は日陰に入れば一年中が避暑地のように涼しく、とても過ごしやすいです。

それでも、貧困、孤児、エイズなどの病気の蔓延、隣国からの難民、安全な水の不足、北部での干ばつや子ども兵といった様々な問題を抱えています。

私自身は、教育関係のボランティアをしていますが、ウガンダでは複雑な家庭環境で育つ人が多く、本当の意味でのサポートは、一人ひとりの生まれ育った環境を知らずにはできないと感じています。

一夫多妻の関係が広く見られ、また高額な花嫁料が請求されるため、正式に結婚していない親を持つ子どもが多くいます。結果的に、何人もの異なるパートナーとの間にできる子どもたちを育てる親が増えています。

幼い頃は無邪気で目がきらきらしている子が多いのですが、道徳面で親からあまり教えられていないうえ、早くに自立を求められるので、問題を抱える若者が多いです。また、共働きの家庭では、子供の世話を10~20代のメイドに任せる親や、幼稚園や小学校から寄宿学校に入学させ、教育は学校任せという親も多く、知識や技術を教える以外に、道徳面や精神面でのサポートが必要とされます。

ウガンダは公用語が英語ということもあり、各国からボランティアが来やすい場所です。私が活動している西部の町でも、教育支援だけでなく、難民サポートや、医療、農業、畜産関連の支援に外国人がやって来て、短期~3年のビザでウガンダに滞在しています。

文化

花嫁料にもされるアンコーレ牛をのどかに追う男性とボーダー

Q. 現地の人々の気質や考え方にはどんな傾向がありますか?

日本人に似て、なかなかNoと言えない人が多いです。「どうぞ、いらしてください」というこちらの誘いに「はい、行きますね」と返事をしても、それはその場しのぎということが多いです。

また、「今、そちらに向かっています」というのも、これから準備をして出るという意味のことがよくあります。あと10分ぐらいで来ると思ったら、1時間以上も待たされたことがあります。ある男性によると、ウガンダ人の3pmは3:00~3:59pmまでなので、「3:59pmに到着しても、僕らは3pmの待ち合わせに遅れたとは思わない」とのことでした。確かに、ほぼ家電製品を使わないウガンダの生活は時間がかかり、断水や停電で予定通りにいかないことも多いので、みなさんあまり気にしないのかもしれません。

町ではひったくりなどの軽犯罪も少なくないですが、人々はまだまだ他人に親切です。市場でお釣りをもらい忘れたり、落とし物をしたりすると、すぐに返してくれる人がいます。友人は大金を銀行のATM近くで落としたのですが、後ろにいた人がすぐに拾って声をかけて返してくれたそうです。

私は、首都のバス停で隣に座っていた人に、「それ、美味しいの?」と話しかけたら、「シェアするのは良いことだ」と言ってスナックを分けていただいたり、街でリュックを背負っていたら、「スリが狙っているから、前に背負いなさい」と後ろから声をかけられたりしたことがあります。若者が年配の人に席を譲る光景もよく目にします。

それでも、ここ東アフリカは賄賂が大きな社会問題となっているので、イミグレーションオフィサーや警察など権威ある人々と接触するときは、外国人は特に気をつける必要があります。賄賂を通報する電話番号がオフィスの壁に貼られていても、賄賂を要求されることがあります。「外国人は金銭的にゆとりがあるから、余分に貰っても問題ない」と思われるようです。相手の部族語が話せる友人に同行してもらうと、何かあった時に対処しやすいかもしれません。

Q. 現地の食文化はどのようなものですか?

ウガンダのバナナの消費量は世界一と言われています。

フルーツ用のバナナもよく食べるのですが、マトケと呼ばれる緑のバナナを蒸したり煮たりして主食として食べます。その時によって料理の仕方は変わるのですが、皮を剥いたマトケをバナナの葉で包んで、炭火でじっくり蒸し、潰したものは特に美味しく、しばらくウガンダにいるとくせになるかもしれません。美味しいマトケは、フルーティなジャガイモのようであって、濃厚なサツマイモのようでもあります。

マトケの他に、トウモロコシの粉を練って火を通したポショや米もよく食べられます。地域によっては、蒸したキャッサバ、サツマイモ、ジャガイモ、カボチャ、タロイモやカロと呼ばれるミレット(キビの一種)とキャッサバの粉に火を通し練ったお餅のようなものも主食として食べます。

主食は「フード」呼ばれ、家庭での普段の食事では1~2種類のフードを食べますが、種類が多ければ多いほど贅沢な食事とされているので、祝い事やレストランでは、好きなフードを何種類か選べるようになっています。

「フード」には「ソース」と呼ばれる豆、ピーナッツ、または、牛肉、ヤギ肉、鶏肉か淡水魚(ティラピアやナイルパーチ)の煮込み料理が添えられます。因みに、ナイルパーチは日本のファミリーレストランでも使われているので、日本人には馴染みのある味です。

豆や肉は炒めた玉ねぎとトマトなどと炭火で煮て、シンプルに塩のみで味付けされます。スパイスはカレー粉などが売られていますが、ほとんど使いません。食べる時は、フードを手かフォークですくって、ソースに漬けていただきます。好みでピリピリと呼ばれる唐辛子をかける人もいますし、部族によってはゴマやピーナッツのペーストを使います。豚肉はイスラム教徒に配慮を示すため、市場では売っていません。

日本人のように毎日違うおかずを食べるわけではないので、最初はあきてしまうかもしれませんが、徐々に料理の仕方や素材の味の違いを楽しめるようになると思います。因みに小学校の給食は一年中、ポショと赤豆のソースです。

軽食としては、インドから来たサモサや、チャパティ(小麦粉を練って作った薄焼きパン)、ロレックス(チャパティで薄焼き卵とトマトやピーマンなどの野菜を巻いて焼いたもの)などを食べます。あまり甘くない揚げドーナツかパンをチャイと一緒にいただくことも多いです。

また、フルーツは安く、種類の違うバナナをはじめ、甘いパイナップル、マンゴー、パッションフルーツ、スイカ、パパイヤ、ジャックフルーツなどをほぼ一年中楽しめます。

甲殻類アレルギーがなければ、珍味とされるバッタの炒め物にも挑戦してみてください。エビのように香ばしく、ウガンダ産ビールとよく合います。

「フード」は選びたい放題。ピーナッツソースを好みでトッピングしても90円の赤豆ソース

Q. 現地の人々はどのような生活習慣や宗教観を持っていますか? 現地特有のマナーなどはありますか?

炭火の生活をしている人々がほとんどなので、学校や仕事がある人々の生活は、朝早い時間から始まります。

朝食は軽くすませるか全く食べず、途中でチャイとパンなどで空腹を満たし、昼食は2時頃という人が多いです。中には、昼ごはんを食べない人もいれば、忙しい日は夕方4時に昼食をとるという人もいます。メインの夕食は夜遅く、寝る前にかなりの量を食べるので、それで大丈夫なのかもしれません。

挨拶は、知らない人でも、「こんにちは、お元気ですか?」「昨晩はよく寝られましたか?」「今朝はどう過ごされましたか?」などとまずは相手の様子を聞くのが一般的です。本音を語る人は滅多にいませんが、急ぎ足で本題に入らず少し間をもうけ、相手の様子を伺うのが良いようです。首都に多くいるガンダ族は、年配の方にはひざまずいて挨拶をするのがマナーだそうで、若者がそのように挨拶をしているのを見たことがあります。

宗教に関しては、地域によって差がありますが、キリスト教が多数を占め、次にイスラム教が多いです。キリスト教は特にカトリックが多く、公立の小学校では、一年生からカトリックの教えに基づく宗教の授業があり、イスラム教も教えられます。そのような背景もあってか、人々は互いの宗教に対して寛容で、イスラム教徒がキリスト教徒と結婚することも珍しくありません。国の行事に関しても、キリスト教とイスラム教両方の祈りが捧げられたりします。

宗教を大切にしているイスラム教徒は露出を好みませんが、若者はイスラム教徒であってもミニスカートを履くことがあります。田舎に行く場合は、宗教にかかわらず、女性はズボンを履くべきではないと思っている人が多いそうです。また、町であっても、半ズボンを履いた男性は見かけることがありません。

日本で見慣れない光景で驚くのは、男友達の間で手を握って歩くことがあるということです。大人であっても、友情の証として仲良く手をつなぐことがあります。

気候

木陰でピーナッツをむきながら会話を楽しむ人々

Q. 現地はどのような気候ですか? 健康維持のために気を付けるべきことはありますか?

私が住んでいる西部は、夏の軽井沢のような気候です。一年中20度前後でとても過ごしやすいです。一年に雨季が2度(9~11月、3~5月)、乾季も2度(6~8月、12~2月)やってきますが、雨季でも、雨が一日中降っているということはありません。夜に大雨が降って、活動する時間にはもうからっと晴れているということがよくあります。首都は湿度があるので、扇風機を使っている人もいますが、西部は日陰に入れば、爽やかな風を感じることができます。

また、乾季は舗装されていない道路の土埃がすごいです。ウガンダ人の女性は、サロンでよく整えた髪の毛を埃から守るため、よく頭にスカーフを巻いています。

軽井沢のようと言っても、赤道直下で日差しはとても強いので、ウガンダ人でも、日差しを避けるため傘をさしている人がいます。日本から丈夫な日傘や帽子、そして日焼け止めやサングラスを持ってくると重宝します。日差しが強いため、黒い日傘は一年で灰色になりました。

場所によっては雨季や夜にとても寒くなるので、上着が必要になります。私の住む町でも、朝方や夜の寒い時間にバイクに乗る人は、ダウンジャケットを着る人がいます。わたしは雨季の夜に、時々湯たんぽを使っています。

Q. 現地特有の風土病はありますか? 健康維持のために役立つ対処方法はありますか?

ウガンダに入国する際は、黄熱病の予防接種が必須です。また、マラリア、腸チフス、A/B型肝炎は一般的です。

これまでに、コレラやエボラ出血熱が流行したこともありますが、ウガンダ全土でのことではありません。その他に、破傷風、狂犬病、淡水から感染する住血吸虫などがあります。

現地の人々にとってマラリアは風邪のようなもので、薬を三日飲み一週間ほど休めば大丈夫という感覚です。具合の悪そうな友人にどうしたのか聞くと、「マラリアなんだ」と言われることがあります。

わたしは、マラリアになったことに気づかず、風邪薬を飲んで一日過ごしてしまい、重症になってしまったのですが、私立病院で薬を注射で3回打っていただくと、治りました。風邪薬を飲んだ次の日に、膝ががくがくになり、白湯を飲んでも寒気が消えず、ただの風邪ではないことが分かりました。マラリアを避けるためには、朝まだ薄暗い時間や夕方に外に出ないこと、ワンプッシュタイプのスプレーを部屋に撒くこと、そして寝るときは蚊帳を使うことが大切です。

腸チフスやA型肝炎は、生ものを避けたり、よく乾いた食器を使ったりするなどして避けることができますし、予防接種を受けることもできます。生で食べたい果物や野菜は、漂白剤を適量入れた飲料水に漬けて消毒する外国人もいます。住血吸虫は、薬を一晩飲めば、大抵は治るそうです。

また、ベッドバグ(トコジラミ)やダニ、ノミに悩まされる場合は、家に帰ったらすぐにシャワーを浴び、家に珪藻土の粉を撒くなどすると被害を防げます。

言語

町中のチャパティ屋さん ー 英語の看板なのでわかりやすい

Q. 現地の人々はどのような言語を用いていますか? 外国人にとって、現地の言語を学ぶ際に、どんなハードルがありますか?

ウガンダは30以上の部族語が存在します。公用語は英語とスワヒリ語とされていますが、スワヒリ語はほとんど聞きません。首都では、主にガンダ語と英語が話されています。

両親が違う部族であったり、クラスメートが他の言語を話したりする、ということもよくあるので、英語の他に2言語以上を話せる人がたくさんいます。言語グループが同じだと、相手の言っていることが何となく分かる、ということもあるそうです。

学校に通っている若者であれば、英語で簡単な会話をする点では、問題ありません。寄宿制の私立高に通っている若者は英語がかなり理解できますが、大学生であっても、あまり英語が理解できていない人もいます。こちらの伝えたいことを理解してもらうには、ゆっくりと話し、彼らが普段使っている英単語やフレーズを覚えて使う必要があります。

発音はカタカナ英語に近いので、英語を母語としているアメリカ人やイギリス人よりも、日本人の英語の方が理解されます。もともとイギリス領だったので、使う単語はイギリス英語ですが、ウガンダ独特の英語になっています。例えば、Avocadoは「アボカド」ではなく「オバケド」、Gingerは「ジンジャー」ではなく「ジンガー」と発音しています。

英語が公用語であっても、英語で話すことをあまり好まない人もいます。部族語で挨拶だけでもできるとその場を和ますことができ、その後は片言の英語でコミュニケーションを取ることができることもあります。

生活

大学の門の近くで裸足でマトケを売る男性

Q. 現地の人々の生活水準はどうですか?

首都や町に大きな門構の豪邸もありますが、多くの人は、経済的に余裕のない暮らしをしています。

農村に住む人は、食べるものには困らなくても、子供の教育費を賄うのに奮闘している家庭が多いようです。部族によっては、牛を多く所有し、大きな家を建て豊かな暮らしをしている人たちもいます。

町では、歩いて果物や軽食を売りその日暮らしをする人々がいる反面、4WDで通勤するビジネスマンや大学教授などもいます。また、卒業証書よりコネがなければまともな職に就けない社会なので、大学を卒業しても、小さなビルの一角を借り、食品や雑貨を売ってなんとか生計を立てる人もいます。家族を養うため、単身赴任で中東に行き、メイドや掃除などの仕事に就く人もいます。

私の住む町では、ウェイトレスは朝から夜まで働いても日給120円ほどです。看護師でも月3万円~ですが、大学教授は月18万円前後で、職によって収入が大幅に違います。たとえ収入が良くても、子供の多い家庭も多く、また収入の多い者が困っている親族を助けるのが当たり前の社会なので、余裕のある暮らしをしている人は少ないです。

首都や町にはスーパーがありますが、現地の人があまり食べない輸入品等は日本より高いこともあり、外国人や富裕層向けです。わたしは富裕層のいるアパートに住んでいますが、スーパーで買い物をしても、その他の物が安いので、あまり外食をしなければ2人で月6万円で生活できます。

Q. 現地の人々の教育水準はどうですか?

幼稚園もあり、小学校(7年)の授業料は無料です。その後、授業料を払えれば、中学校(4年)・高校(2年)へ行きます。卒業後は、仕事を探す人もいれば、さらに職業訓練校か大学(2〜4年)に進む人もいます。大学には、アフリカ諸国からも生徒が来ていますが、卒業しても職に就けない人がたくさんいるのが現状です。

また、幼稚園から学年ごとに試験があり、留年制度があります。小学校を卒業するには国家試験があり、そのため、公立の小学校でも高学年は土曜も日曜も授業を受け、寄宿を義務とする学校もあります。とても教育熱心に聞こえますが、いろいろな問題が見受けられます。

例えば、小学校の授業料はただですが、卒業率は実際の子供の人数の半数ほどと思われます。理由は、制服代等の諸費用が払えず入学できない、入学してもその他諸費用が払えず退学になる、といったものです。また、公立の小学校には生徒の教科書がないうえ、1クラスの人数がとても多く(わたしの働く学校は1クラス120人)、先生の目が行き渡っていません。それで、お金はかかりますが、1クラスの人数が少なく教科書も配られる寄宿制の私立校に通わせる親も少なくありません。

公立でも私立でも、授業はほぼ詰め込み式で、答えが間違っていたり、注意散漫になっていたりすれば、先生が棒で思いっきり叩くという体罰がなされています。

このような実状ゆえに、高い立場にある人にはただじっと耐えて従う人が多く、思考力を働かせて物事を改善しようとする人が少ないように思えます。それでも、忍耐力やイライラせず置かれた状況を受け入れる力は優れているので、学ばされることがあります。

4人がけの椅子でひしめき合いながら算数を学ぶ小学2年生

Q. 現地の治安水準はどうですか? 外国人が特に気を付けるべきことはありますか?

治安はケニアほど悪くないと言われていますが、特に首都は年々犯罪が増えています。

街中ではどこでも、貴重品を狙った犯罪に遭う可能性を考えて行動する必要があります。外国人はどこでも目立ちます。それで、お金がありそうな格好をしない、貴重品は見えるところに入れない、鞄は前に持つ、他人に声を掛けられた時は鞄から目を離さない、などに気をつけなければなりません。

12月のクリスマス前には犯罪が増えるので、ボーダー(バイクタクシー)は道端で止めたりせずに必ずタクシー乗り場から乗る、朝方や夕方には一人で行動しない、夜間に外に出ないことなどに気をつけることができます。

首都で相乗りタクシーに乗るときは、慣れていないと、既に乗っている客がみな犯罪者ということもあるので、気をつけてください。助手席に乗せられて、タブレットを鞄から引き抜かれ、むりやりドアから押し出された友人もいます。また、渋滞中に車の中でスマホを使っていると、窓から奪われることもあります。

家では、敷地内にいるとしても、ドアを開けたまま外にでると、その隙に貴重品を盗まれることがあるので、ドアから離れる時は鍵を閉めるようにするのが安全です。また、窓から長い棒を使って貴重品を盗む人もいるので、窓の近くにパソコンやスマホを置きっぱなしにしないことも必要です。数日留守にする場合は、南京錠を3重にかけると安心です。

Q. 現地の住居や住環境の様子どうですか?

わたしの住む町では、学生、低・中所得者のほとんどは長屋に住み、水道もトイレも水浴び場も共有しているところが多いです。長屋には1~2部屋があります。キッチンはなく、ドアの外で七輪のようなものを使って炭火で煮炊きする人がほとんどです。

少しランクが上がると、プライベートのトイレや水浴び場があり、町の中心地を離れると、キッチン付きのテラスハウスを見つけることができます。

地元の富裕層は大きな土地に母屋以外に長屋や小さめの家を建て、低・中所得者に貸しています。外国人は大きな門構の一軒家か点在するアパートに住んでいて、それら物件にはセキュリティーガードが常駐しているか、番犬がいます。

首都では、一見立派なマンションやメゾネットタイプのアパートもありますが、残念な作りが多いです。中には、床が傾いていて家の中にいるだけでクラクラしてくる部屋もあれば、せっかく立派な網戸が付いていても、網戸と窓の間に大きな隙間があり、蚊が入りたい放題だったりします。

住居を定める点で知っておくべきことは、ウガンダの住居には防音という概念がほぼないことです。近所に子どもが多くないか、イベントを開くホテルや広場が近くにないか、夜中も信者が集まる教会がないかを確認しておくと、騒音に悩まされずに済みます。

また、ペンキなどのリフォームは、ほとんどの場合、借主が支払うことになります。しかし、3か月分の家賃を前払いするなど、交渉によっては、貸主が負担してくれることもあります。温水シャワーは、自分で設置する必要があるかもしれません。 

家具に関しては、既製品は種類が少なく、選択肢があまりありません。それで、自分で細かな寸法を決めて、それを大工に作ってもらうことができます。ただ、何度も足を運んで、依頼した通りに作っているかを確認することが必要です。確認を怠ると、腕が良いと知られる大工でも、その通りにできることはほぼないです。因みに、わたしが注文した棚は、本来なら上に取り付けられているはずの引き出しが下に取り付けられてやってきました。

西部で1番大きな町の中心街に建ち並ぶビル

Q. 現地の生活インフラ(水道・電気・ガス・インターネット)はどの程度整っていますか?

田舎のインフラは、観光地以外は整っていません。町では、外国人が住むような家は、上水道・下水道は整っています。とはいえ、断水は首都でも突然起こります。それで、水道水を溜めるタンクが備え付けられている家に住むなら、いつでもシャワーを浴びられるので助かります。また、普段から地元の人がしているように、プラスチック容器に水を溜めておくなら、タンクの水が無くなっても他に使えます。

たくさんの電気製品を使う場合は(特に電気オーブンなど)、配線工事が必要になるかもしれません。ウガンダ人のほとんどは、オーブンや冷蔵庫、温水シャワー、洗濯機を持っていないので、外国人や富裕層が住むためにデザインされた家でない限り、工事が必要になることがあります。また、停電もよく起こるので、モバイルバッテリーがあると役立ちます。

ガスはプロパンで、自分で空の容器をガソリンスタンドに持って行き、補充してもらうか、信頼できるボーダー(バイクタクシー)に頼むこともできます。または、ガスの宅配サービスをしている人が見つかれば、電話一本で空の容器をガスの入った容器と交換してもらうことができます。

インターネットは、ほとんどがプリペイドで、いろいろな会社が常にいろいろなプランを提供しています。場所や曜日や時間によって、接続具合が変わってきます。値段は20ギガが月々1,500円などで、日本人にとっては安いです。デュアルシムのスマホがあれば、その時間帯に電波の良いネットを提供しているシムに一瞬で切り替えられるのでとても便利です。

SNSでコミュニケーションを取る場合は、以下の点に気をつけてください。ウガンダ人がよく使うSNSは、OTTと呼ばれる税金を払わないと繋がらないようになっています。また、24時間ネットに繋がっているウガンダ人は少ないです。

Q. 現地のレストランやファーストフード店、露店など食品を扱う店の衛生状態はどうですか?

外国人がよく集まるようなレストランでは、サラダやジェラートなどの生ものを楽しむことができます。その他の場所では、しっかりと火の通った料理で、まだ熱いうちに提供されるものを選んでください。腸チフスなどを避けるため、お皿やフォークなども乾いたものを使用していることを確かめることが必要です。また、瓶に入った飲み物は、決してそのまま口につけず、綺麗な乾いたグラスに入れていただくか、ストローをさして飲んでください。

ローカルレストランのキッチンを見ると、フードをバナナの葉ではなく、黒いごみ袋を使って蒸しているところがあります。キッチンが見えるレストランを選ぶなら安心です。

露店では、お金を触った手で、そのまま食べ物を触っている人たちを見かけます。目の前で、しっかりと具材に火を通していただき、料理した後は素手で触らないようにお願いすることができます。

Q. 生活に必要な安全な飲用水はどのように調達しますか?

ウガンダ人も水道水を煮沸して飲みます。私の住んでいる町の水道水は、決して見た目も綺麗ではありません。鍋に水を一日溜めておくと、下に茶色いウヨウヨしたものが溜ります。それで、水道水を沸騰させて一晩冷ましたものをろ過しています。首都の水はもっと澄んでいますが、外国人はろ過装置を使用しているようです。

わたしの住んでいる場所は、煮沸した水でもしばらくするとろ過装置のフィルターに苔が生えてきます。それで、フィルターに通した水は再び沸騰させる料理に利用して、飲料水は信頼できるボーダーにスーパーに買いに行ってもらいます。1リットル21円ぐらいです。ブランドによっては水質が良くなかったり、偽物も出回ったりしているそうなので、信用できる地元の知り合いにアドバイスを求めてみてください。

新鮮な野菜と果物が並ぶセントラルマーケット
他では見ない野菜も見つけることができる

Q. 現地の交通事情や交通機関の様子はどうですか?

交通ルールはあって無いようなものです。自家用車を運転する場合は、首都は渋滞も大問題となっているので、早めに行動することが必要です。また、渋滞中の犯罪(車の部品を盗む等)も聞くので気をつけなければいけません。幹線道路においても、道路の穴による転倒事故が多発しているそうです。

首都における交通手段は、少しお金がかかるかもしれませんが、ウーバーが一番安全だと思います。安く乗れる相乗りタクシーもたくさん走っていますが、金銭やスマホを狙った集団犯罪も起きているので、慣れるまでは地元の知り合いと一緒に乗ることをお勧めします。また、渋滞を避けるために、ボーダー(バイクタクシー)を利用したいと思うこともあると思いますが、交通量の多い場所では事故が多発していることを念頭においてください。セーフボーダーと呼ばれるウーバーのバイク版のようなタクシー会社を利用すると、犯罪に遭うことから回避できると思います。

わたしは、比較的交通量の少ない町にいるので、普段はボーダーを利用しています。それでも事故は起こるので、注意してもスピードを下げない場合は、すぐに止めてもらっています。そのようにしても、お金を取られたことはなく、素直にこちらの言うことを聞いてくれます。

中には自転車を利用する人もいますが、道ががたがたなので、どこでも自転車で行けるというわけではありませんし、西部では女性は自転車に乗らないのが文化のようです。

長距離移動は、バスターミナルやガソリンスタンドから乗ることができます。また、安全と楽さを求めるのであれば、プライベートタクシーを呼ぶこともできます。首都から私の住む町まで、バスは600円で、プライベートタクシーは1万円以上しますが、プライベートタクシーであればどこでも止まってもらえるので、楽に移動できます。

Q. 現地の医療水準はどうですか? 医療費は高額ですか?

医療水準は、決して高いとは言えません。風土病の検査は、信頼できる検査機関が近くにない場合、セカンドオピニオンを得ることをお勧めします。わたしは、首都にある外国人の経営する病院でセカンドオピニオンを得ることによって、最初の検査結果は誤診であることが分かり、強い抗生物質の服用を避けることができました。

また、何か大きな病気が疑われる場合は、公立病院ではなく、私立病院や外国人の医者がいる病院に行くことをお勧めします。前もってそのような病院がどこにあるか調べておくと安心です。公立病院は、病人を看護する家族も寝泊まりしているので、病室の床にござを敷いて寝ている人もいます。ですので、公立病院はとても病院といった雰囲気ではありませんし、断水も起こるので、日本では考えられないような衛生状態です。

医療費に関しては、日本円にするとそれほど高くないと思いますが、外国人だからといって値段を上げてくることがあります。その点を考えると、何か大きな検査が必要な場合などは、首都にある外国人が経営している病院へ行った方が良いと思います。もしくは、ウガンダ人に付き添ってもらうと良いかもしれません。

相乗りタクシーとボーダーはウガンダ人の足

執筆者:YT
執筆年月:2021年1月

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