海外社会貢献者からのメッセージ
Q. 世界を活動の場とする社会貢献者にとって、この国はどのような場所ですか?
コスタリカと聞いても、日本人にはほとんど馴染みがなく、どこにあるかもわからないぐらいですが、中央アメリカと南アメリカを分断する運河で有名なパナマのすぐ北側にある国です。
コスタリカは中央アメリカに位置する、九州と四国を合わせたほどの大きさの国です。その面積の国土に、福岡県の人口と同じぐらいの500万人ほどが住んでいます。国土と人口の比率から想像してもらえるかもしれませんが、多くの土地が手付かずの大自然です。コスタリカは自然が非常に豊かな国で、国の30%もの面積が自然保護区、または国立公園として指定されており、人が自然の中で動物たちと共存しているような国です。
また軍隊を持たない国としても有名です。1948年に軍が廃止され、それまで軍備にあててきた費用を教育や医療に用いるようになりました。そのため、中南米の中でも医療のレベルや識字率などは群を抜いて高い国です。
本来のままの自然が残された、そして中南米一平和な国として有名になったコスタリカは、中米のスイスと言われるようになり、毎年多くの観光客が訪れる観光大国になりました。自然と人間の共存について考えるエコツーリズムという、観光と自然環境を合わせた観光ツアーなどが行われています。
コスタリカには、世界の動植物種の5%が生息するとも言われ、日々新種のいきものが発見されています。観察できる鳥類の数も非常に多く、世界からバードウォッチャーたちが訪れます。コスタリカでとても有名な鳥の一つに、手塚治虫の「火の鳥」のモデルにもなったと言われている、ケツァールという鳥がいます。たくさんのバードウォッチャーたちから幻の鳥とも言われるほど、非常に発見することが難しいこの鳥を観察するツアーなども非常に観光客から人気があります。
このように多くの人が自然の保護・管理のために活動しています。彼らを支援する政府、非営利組織、各種団体がよく機能しており、自然保護などに関する法制度などもしっかりしています。コスタリカは国全体でありのままの自然を残し、守っていくという意識がとても強いです。小中学校などでもそうした自然保護などの授業も行われ、小さな頃から自然と共存するための基礎教育が行われています。この面でのボランティア活動は非常に盛んで、とてもやりがいがあります。
文化
Q. 現地の人々の気質や考え方にはどんな傾向がありますか?
都市部と田舎の方では、人々の生活スタイルが異なりますが、多くの人は非常に感情表現が豊かで、喜怒哀楽を全面に出します。初対面でも、友達の知り合いなら、ハグや握手をすることは極めて普通です。
多くの人は、感情的に物事を進めていくため、理性的な判断、論理的な考え方が通用しないことが多くあります。将来を見据えて物事を計画し、それに沿って実行していくということを苦手とする人が多く、行き当たりばったりのような暮らし方をしているように見えます。それはおそらく教育レベルの問題も関係していると思われますが、人々にとってはそれが普通の生活スタイルなので、特に気にすることもありません。それゆえに生活の質はあまり向上しません。
将来に備えて何か準備したり貯蓄したりということはほとんどせず、収入があるだけ使う、お金は借りられるだけ借りる、クリスマス休暇後の新年は食べ物を買うお金も残っていないという人もいるほどです。
しかし、そうした中でも人が困っているならすぐに助けの手を差し伸べ、損得ではなく、助けたいという気持ちで行動するため、非常に人に優しい国でもあります。先のことをいちいち考えず、そこに助けを必要とする人がいるなら助ける、という非常に素晴らしい気質を持った人も多くいます。
行き当たりばったりのその日暮らしの生活スタイルですが、明日は明日の風が吹く、何とかなる、とその場に合わせてフレキシブルに物事に対処していく素晴らしい生き方とも考えられます。そんな根を詰めて考えないシンプルな考え方が、世界幸福度ランキングで何度も一位に輝く国を作り出しているのかもしれません。
Q. 現地の食文化はどのようなものですか?
主食は米、豆、とうもろこしです。コスタリカには、ガジョピントと呼ばれる代表的なお米と豆を混ぜた料理があります。炊いたお米と煮込んだ豆、玉ねぎ、スイートチレ(ピーマンに似た辛くない唐辛子の一種)、ニンニクなどを混ぜた、日本で言うと豆ご飯とチャーハンの中間の料理です。
また、とうもろこしの粉で作るトルティーヤ、タマル(日本のちまきのような食べ物)などもよく食べられます。そして、家族や親族などが集まる時には、大きなお鍋でたくさんのお肉や野菜、根菜類を煮込んだスープ(豚汁やポトフのよう)がよく調理されます。
日本ではほとんど見かけることのない種類の調理用のバナナ(プラタノと呼ばれる)や、ユカと呼ばれる芋類のキャッサバの仲間は、とても美味しく、コスタリカに来られる日本人にも好評です。
また、豚肉のあばら肉をぶつ切りにしたものを、ラード(豚の背脂)でひたすら揚げる豚肉のフライがパーティーの時などに振る舞われることがあります。田舎の方では、豚を飼育している家庭もあり、結婚式や祝い事の時には、豚一匹を丸々さばいて、新鮮な肉を調理して、招待客に提供することもあります。
そして、いつも新鮮な旬のフルーツが揃っています。マンゴー、スイカ、メロン、パイナップル、リンゴ、ぶどう、なし、いちご、グレープフルーツ、みかん、アボガドなど多種多様なフルーツがあり、中には日本では見かけることのない美味なフルーツを発見することもあります。
都市部は近代化・国際化されています。国内外からの観光客のために、ファーストフードをはじめ、イタリア、フランス、中華、そして日本などの料理店があり、いろんな国の料理を食べることができます。
Q. 現地の人々はどのような生活習慣や宗教観を持っていますか? 現地特有のマナーなどはありますか?
都市部では多くの人が会社勤めをしており、日本での一般的な生活習慣と似ています。通勤通学ラッシュがあり、多くの人がストレスを感じながら生活しています。多くの人はある程度の収入があり、街は物であふれています。物質的には豊かですが、人と人の関係は希薄なものになりがちです。
一方で、田舎の方では経済的な豊かさはありませんが、人々は非常にのんびりと生活をしていて、心が豊かな人が多くいます。仕事と時間に追われる忙しい生活ではなく、家族や人との関係を大事にした生活をしています。道を通り過ぎる人には挨拶をし、隣近所とは世間話をします。人と人との繋がり、助け合いをとても大切にしています。困っていることがあれば、インターネットで調べるよりも、誰かに聞いた方が格段に速い、そんな田舎町がたくさんあります。
コスタリカは、人口の大部分がキリスト教です。いろんな宗派のキリスト教がありますが、カトリックがその多くを占めています。各町、各集落に教会があり、週末には多くの人がミサに参加するために集まります。また、年に何度もキリスト教に関連した行事が国中で行われ、たくさんのキリスト教信者が参加しています。
気候
Q. 現地はどのような気候ですか? 健康維持のために気を付けるべきことはありますか?
コスタリカには、ミクロクリマ(ミクロ気候)と呼ばれる特殊な気候が存在します。地形、風向き、海潮の動きなど、様々な要因により、場所によって大きく気候が異なります。時には、1キロしか離れていないところでも天候が異なることもよくあります。
基本的にはトロピカルの熱帯性の気候で、乾季と雨季に分けられます。乾季は12月ごろに始まり、4月中旬ごろまで続きますが、その期間に雨が降ることはほぼありません。
雨季は5月頃から始まり、12月頃まで続きます。雨季であってもいつも雨が降っているわけではなく、多くの場合、一日に一度夕方にスコールが降るだけです。時によっては、一日中雨の日もあれば、一週間ずっと雨続きの日もあります。
コスタリカの国全体として、一年を乾季と雨季に分けることができますが、コスタリカのミクロ気候の影響によって、一年中雨の降が降っている山間部もあります。風の強い場所、降水量の少ない場所、熱帯気候にも関わらず時期よっては氷点下まで気温の下がる標高の高い地域もあります。
日の出、日の入りの時間が一年を通して1時間程度しか変わらず、朝6時ごろに日が上り、夕方6時ごろに日が沈みます。そのため、一年を通して気温が穏やかで、熱帯性の気候が保たれています。外国人が老後の移住先として選択する人も多くいます。
Q. 現地特有の風土病はありますか? 健康維持のために役立つ対処方法はありますか?
熱帯地方ではよく聞きますが、蚊が媒介する病気が雨季になると毎年流行ります。デング熱、チクングニア熱、ジカ熱など様々な感染症が発生します。衛生面での向上により、都市部ではほとんど聞かれなくなりましたが、田舎などの農村部ではまだまだ排水や下水のインフラ整備が整っていないため、毎年こうした感染症が発生しています。
蚊に刺されないことが最優先ですので、虫除け、長袖、長ズボン(日焼け対策にもなります)、蚊帳の使用などによって対策できます。国の保健局も毎年対策をしており、ある地域で集団的に感染症が広がったなら、その一帯を消毒するために薬剤を散布しています。
コスタリカでは虫刺されの後に塗る薬というものがほぼなく、アルコールを塗布する人がほとんどです。日本からムヒなどの虫刺されに効く薬や、スプレータイプの部屋に散布する殺虫剤などを持参されると非常に役立ちます。
言語
Q. 現地の人々はどのような言語を用いていますか? 外国人にとって、現地の言語を学ぶ際に、どんなハードルがありますか?
コスタリカの公用語はスペイン語です。また、コスタリカにもともと住んでいた現地民族の言葉として、カベカル語とブリブリ語があります。こうした民族の言葉はスペインの植民地化のあと、ほとんど話されなくなり、現在話せる人はほんのわずかしか残っていません。
スペイン語は90%のアルファベットをローマ字読みでき、また発音も日本語ととてもよく似ています。単語の意味を理解できなくても、日本人にとってスペイン語を読む、発音することは可能です。ただ、アクセントを非常に大切にする言語ですので、単語を読めてもアクセントを間違えるだけで伝わらなくなります。
そのため、スペイン語を学ぶ上で重要なのは、聞いたこと繰り返して発音することです。スペイン語は書き言葉というよりは話し言葉です。コミュニケーションを取る際、文字で意思疎通を行うよりも、言葉を音声にして伝えることがほとんどです。そして音声を発音通りに文字に起こして書くので、単語のつづりなどを間違えていることは日常茶飯事です。なので、現地の人が単語の綴りを間違えていてもあまり気にしません。
世界で最も広い範囲、最も多くの国々で話されているスペイン語ですが、国、地域によって発音の仕方、文法、単語の意味などが少しずつ異なります。一種の方言のようなものですが、方言が強くなりすぎると理解できなくなります。それでも、基本的な文法で簡単なスペインの単語を使って話すと、たいていどこでも伝わります。
生活
Q. 現地の人々の生活水準はどうですか?
都市部に仕事を求めてたくさんの人が移住しています。貧しい人もいますが、生活水準は他の中年米の国々と比較して非常に高いといえます。そのために、近隣の国々から出稼ぎに来ている人たちがたくさんいます。
驚くほど物価の高い国で、飲み物、食べ物、外食、日用品などの価格は日本と同じ程度です。観光地では日本よりも高いことがあります。都市部にも田舎の地域にも貧しい人がいますが、国からの援助により基本的な食べ物は得ることができます。ガス代、水代、電気代などの光熱費は日本に比べて安いです。田舎の方では自分の家を持っている人がほとんどで、家賃を払う必要がありません。基礎的な出費が少なくて済むというメリットがあります。
観光業に従事している人たちやコーヒー農園を経営している人たち、土地持ちで酪農や牧畜などをしている人たち、それに外国人相手に建設や不動産業を営んでいる人たちは経済的にとても豊かな生活をしています。
Q. 現地の人々の教育水準はどうですか?
コスタリカは軍の制度を廃止し、兵士の数よりも教師の数の方が大事だという思想のもと教育に力を入れています。そのため、若者層の識字率はほぼ100%です。
幼稚園、小学校、中高一貫、大学、専門学校といった教育の制度があります。高校までは義務教育ですが、人によっては中学校を卒業することなく、家業を手伝ったり、仕事を始めたりする若者もいます。
公立の学校は全て無料で、成人してからでも、国の教育機関のプログラムを利用して、無料でいろんな講座を受けることができます。コスタリカは教育にとても力を入れている国です。
Q. 現地の治安水準はどうですか? 外国人が特に気を付けるべきことはありますか?
中南米で最も安全な国と言われていますが、日本と比べると犯罪率は高いと言わざるを得ません。
首都近郊などの都市部では、夜間に出歩くことは非常に危険です。強盗やひったくりなど犯罪に巻き込まれる可能性がとても高いです。都市部の中でも特に危険な地域があり、地元の人でさえ夜に出かけることはありません。
一方で田舎の地域は、真夜中であっても危険を感じることもなく、安心して出歩くことのできる場所もあります。人がたくさん住んでいないということもありますが、とても小さなコミュニティなので、ほぼみんなが知り合いという状態だからだと思われます。
観光地には観光客を狙ったスリや強盗がいます。移動中のバスや夜間のバス停など、一人きりになったり、見るからに観光客という様子でいたりすると狙われる可能性が高くなります。
自宅でも車中でも、外から貴重品が見えるようにはしないことはとても重要です。空き巣や押し入り、車上荒らしなどの犯罪に巻き込まれることになりかねません。
Q. 現地の住居や住環境の様子どうですか?
観光客や移住者の影響もあり、現在コスタリカでは建設業が発展しています。都市部では高層の建物の建設も行われており、セキュリティのしっかりしたマンションも含まれています。そのようなマンションの家賃は日本並みです。
田舎の方では、アパートや一軒家などいろんなタイプの物件を見つけることができますが、不動産会社が存在しないも同然なので、知り合いやSNSなどを利用して物件探しをします。ローカルな物件であれば、2DKで家賃は月2万円程度です。
地域によりますが、海沿いの暖かい地域であれば、シャワーは水のみで温水システムはありません。必要に応じて、電熱線式の温水シャワーをつけることは可能です。
セキュリティの整ったコンドミニアム(集合住宅や門衛のついている塀に囲まれた一軒家の並ぶ区画)のようなところであれば、2DKで家賃は月5万円程度です。高額ですが、セキュリティの良さ、エアコン付き、温水シャワー、家電家具付きなど条件は非常に良いので、初期投資が安く済むというメリットもあります。
Q. 現地の生活インフラ(水道・電気・ガス・インターネット)はどの程度整っていますか?
都市部も田舎の地域も比較的インフラの設備は行き届いています。ただ、田舎は電気や水道、そして特にインターネットの供給が安定しない地域が多くあります。
田舎の地域では断水が比較的頻繁に起こるので、いつも水をペットボトルや小さなタンクに貯めておくと便利です。乾期になると計画断水を行う地区もあります。その場合、日中6〜8時間断水が行われます。地域にもよりますが、基本的に水質はよく、水道水を飲める地域がコスタリカにはたくさんあります。日本人の体質に合う場合が多く、たいてい水道水を飲んでも影響のない方が大多数です。
電気の供給も不安定で、瞬停(一瞬電気の供給が切れる)が毎日あります。瞬停の時や停電から電気が回復するときに、家に到達する電圧が一瞬高くなり、電化製品などを故障させることもありますので、保護器をつけている家庭もたくさんあります。
都市ガスは存在しないので、調理のためのコンロにはガスボンベを買うか、電気式のコンロを買うことになります。一般的に家庭で使われている小さなボンベを使って毎日調理しても、3,4ヶ月使用することができ、ボンベ一本が1,500円程度ですので、非常に経済的です。
インフラの設備の中で最も難題になるのがインターネットです。天候や風の強さなどで電波やケーブルに影響が及び、時には数日間インターネットができないということもあります。しかし、都市部のインターネットは非常に安定しており、速度もストレスを感じることなく利用することができます。
Q. 現地のレストランやファーストフード店、露店など食品を扱う店の衛生状態はどうですか?
基本的にはどのレストラン、喫茶店、軽食屋なども、保健局の許可と食品取扱の免許がないと営業できないことになっていますので安全です。
ただ、路上で売っている食べ物、また家から家に訪問販売している食べ物に関しては十分気をつける必要があります。もしそうしたものを買うとしても、知っている人から買う、もしくは信頼できる人が大丈夫だという場合のみ買って食べるようにするようにしましょう。
もちろん地元の人が大丈夫だと言っている場合でも、日本人には健康に影響が出たりすることもありますので、少しずつ試して見るのがいいと思います。
体も時間と共に地元の料理や飲み物に慣れていきますので、様子を見ながら少しずつ無理ない程度に挑戦していくのも一つの方法です。
Q. 生活に必要な安全な飲用水はどのように調達しますか?
先ほど述べたように、コスタリカは一般的に水質がよく、水道水を飲める地域が多くあります。たくさんの自然が残されているため、自然が本来持つ水の浄化システムによって、水道水の元となる地中から汲み取られる水は良質な天然水です。
水の輸送やバクテリア対策のため日本と同じように微量の洗浄剤を入れていますし、地域によってはミネラルが多く含まれる硬水に近いものもありますが、大抵の水道水は日本人の体質に合う水質の場合が多く、水道水を飲んでも影響のない方が大多数です。
それでも、体に合わない場合もありますので、スーパーなどで20リットルのタンクを購入し、ウォーターサーバーを使って飲料水にしている人もいます。その大多数は外国人で、地元の人が自宅用に飲料水のタンクを買うということは滅多にありません。
Q. 現地の交通事情や交通機関の様子はどうですか?
都市部には、朝夕のラッシュ時のみ運行している路面電車がありますが、非常にゆっくりです。首都圏内の朝夕のラッシュは毎日大渋滞です。数十年で一気に経済的に成長したため、道路のインフラ設備が車と人口の増加に追いついていないという状況です。
歩くと15分の距離が、車かバスだと1時間かかることもあります。そのため、近年ではバイクや自転車を活用する人が増えていますが、事故や犯罪に巻き込まれる可能性もあります。
こうした交通渋滞の問題ゆえに、コスタリカでは「WAZE」という交通案内アプリが非常に人気です。このアプリはリアルタイムで空いている道路を選択し、ナビしてくれます。事故による渋滞などが発生すると、その都度ルートを最適化してくれます。
田舎の地域では、年末年始や祭りの時期になると観光客が集まって大渋滞になることがありますが、基本的には渋滞はありません。ただ、動物や家畜が道路を横断したり移動したりすることがあり、そうした事によるほっこりとした小さな渋滞が起こることがありますが、とても癒される渋滞です。
また都市部では「Uber」というタクシーの配車アプリを活用している人も多くいます。比較的安全で、料金も公共のタクシーよりも安く、確実にタクシーを拾うことができるので便利です。
都市部でも田舎でも、非公認の個人タクシーがありますが、地元の人に信頼を勝ち得たドライバーはとても活躍しています。そうした運転手の場合は、知らない公式のタクシー運転手よりも、安心して乗車することができます。
コスタリカで最も活用されている交通機関はバスです。短距離から長距離まで、どんな田舎の方に行っても、本数は少ないながらもバスが走っています。路線にもよりますが、首都圏では40-100円ぐらいが相場です。田舎の方のバスは、走る距離が長く、利用者が都市部ほどではないので、料金が少し高めで200-300円です。
田舎の方から首都までの長距離バスになると、1,000-1,500円です。
荒い運転をする人も多く、飲酒運転やスピードの出し過ぎによる事故は日々絶えません。それでも、道を譲ってくれたり、歩行者を優先したりする運転手も多く、安全に対する意識は比較的高いといえます。というのも、コスタリカはとても小さな国なので、事故が起きるとそれが全国ニュースで取り上げられます。それがドライバーへの安全運転への意識向上に貢献しているのかもしれません。
Q. 現地の医療水準はどうですか? 医療費は高額ですか?
コスタリカの医療は中南米の中でも群を抜いて良いと言われています。というのも、軍隊がないので軍備費に当てる予算を医療費に当てているためと言われています。国民健康保険がありますが、毎月の保険料はかなり高額です。しかし、公共の病院の医療費は無料です。どんな大手術が必要になったとしても、基本的に無料です。外国人もパスポートがあれば、公共の病院で無料で診察や医療処置をしてくれます。それでも、日本ほど医療レベルは高くないのが現実です。診察ミスや処置が不十分だったことによって手遅れになり、患者が亡くなるケースを聞くこともあります。
首都圏や観光地には私立の小さな個人病院、診療所があり、医療レベルは公共の病院よりも高いところが多いですが、費用も相当な高額になります。そのために、何かあった時のために保険に入っておくことはとても重要になります。
こちらで必要な薬を入手することもできますが、飲み慣れている日本の薬を持参されることをお勧めします。ちょっとした成分の違いや日本人とコスタリカ人の体格の違いなどにより、薬が効きすぎたり、全く効かなかったりすることがあります。
執筆者:Y.M
執筆年月:2021年1月