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各国情報提供

わたしの活動エリア「アメリカ」へようこそ!

海外社会貢献者からのメッセージ

ブルックリンとスタテン島を結ぶヴェラザノナローズ橋

Q. 世界を活動の場とする社会貢献者にとって、この国はどのような場所ですか?

アメリカは50の州からできていて、大きさは日本の約26倍です。大きな国ですが、まだアメリカとして建国されてからは250年にも満たず、若い国といえます。先進国で世界のトップを行く国と認識されていますが、同時に外国からの移民で成り立っていて、貧富の差はとても大きいと感じます。それで、アメリカと言えば助けを必要とする国という感じはしないかもしれませんが、様々な移民や難民が住んでいるため、特別なケアを必要としている人が多いと思います。

文化

お天気の良い南カリフォルニアのハーバー

Q. 現地の人々の気質や考え方にはどんな傾向がありますか?

外国人で成り立っているこの国は、一つの国でありながら様々な文化を持った人々で成り立っているので、一言でまとめるのは難しいです。ですが、そのゆえに個性を大事にする国、またいろいろな事に寛容な国と言えると思います。日本ではみんな一緒が良いと思われますが、アメリカでは人と違うことが良いと考えることが多いようです。また寛容の精神も強いので、何をやっても自分の勝手という気持ちが強く、日本人のいう協調性などには欠けると思います。

Q. 現地の食文化はどのようなものですか?

アメリカ料理は美味しいもの、という意識は私個人的にはありません。楽をするということが優先されるので、多くのものは半分できている缶詰、箱製品などが多いような気がします。ですが、最近は健康に気を配る人が増えてきて様々なブームが起きているように感じます。たくさんの添加物が入った食品が多いので、多くの人は健康問題を抱えているようです。それで、グルテンフリーやベジタリアンの食事をする人が多くなり、それが一種のトレンドのようになっています。

私はNYCに住んでいますが、食生活で良い点と言えば、世界中の食べ物がなんでも一通りあるということです。様々な国から来ている移民で構成されている都市なので、アジア、中南米、アフリカ、中近東の料理などなんでも食べることができるというのは、ある意味でとても贅沢だと思います。

日本ではあまりお目にかかれないロブスターもお手軽に

Q. 現地の人々はどのような生活習慣や宗教観を持っていますか? 現地特有のマナーなどはありますか?

宗教も様々です。伝統的なユダヤ人もいれば、イスラム教徒もいます。キリスト教の国ですが、教会などに幻滅した人たちの多くが東洋の思想に傾倒するようになっているように感じます。

一般論ですが、NYでは割と人に対する干渉が少なく、西海岸ではすぐに会話を始めるフレンドリーな一面もあるものの、全体的に人間関係が希薄な人が多いようにも感じます。中東部では堅実なタイプの人が多く、西海岸のようなフレンドリーさはありませんが、地に足がついているという印象を受けました。南部では割とみんなゆっくりしている感じがありマイペースです。

今住んでいるNYでは様々な国の人がいるので、特に生活習慣やマナーで確立したものがあるようには感じませんが、おそらくこの多様性があるが故に、寛容の精神が大きいのかもしれません。

気候

静かな雪のブルックリン

Q. 現地はどのような気候ですか? 健康維持のために気を付けるべきことはありますか?

住む場所により異なります。NYは北海道と同じくらいの緯度で四季があります。

春は桜、秋には紅葉と美しい四季が楽しめます。カリフォルニアは、割と穏やかで乾燥した気候なので、過ごしやすかったのを覚えています。何年か住んだジョージア州やメリーランド州は、夏が長く湿度も高いので、夏に弱い私にはかなりきつかったです。

健康維持のためには、自分の住んでいる場所の気候などをよく知って、自分の体調を合わせることが大切だと思います。

Q. 現地特有の風土病はありますか? 健康維持のために役立つ対処方法はありますか?

風土病というのは特にありません。

健康維持のためには、やはり良質な食料品を選ぶことが不可欠だと思います。最近は、国全体が健康志向な傾向にあるので、良いものをよく吟味して取り入れることの重要性が認識され始めています。

NYでは、いろいろな食料品が安く購入できますが、質の悪いものも多く存在するので、気をつけなければなりません。安ければ安いほど良いと思って買って食べてしまうと、せっかく野菜を食べていても全く意味がないこともあるような気がします。サプリメントは驚くほどの数が安価で入りますが、あまりに多いのでこちらがリサーチをしてよく選ぶことが大切だと思います。

言語

世界中の観光客に人気のチェルシーマーケット

Q. 現地の人々はどのような言語を用いていますか? 外国人にとって、現地の言語を学ぶ際に、どんなハードルがありますか?

公用語は英語ですが、スペイン語もとても多くの人々に話されています。

日本人はあまり一緒の地域に住まないようですが、他の文化はコミュニティを作る傾向があり、その中に住んでいれば英語を知らなくてもなんとかなるという場所が多く存在します。

ボランティアの仕事を考えているのなら、対象にする国の人々をしぼり、その文化、言語を集中して学ぶのが良いのではないかと思います。自分をその人たちの中に置くことが、一番言語を習得したり、文化や考え方を理解したりするのに大切だと思います。

NYなど外国人が多い地域は、割と外国人に対しての理解があるように思います。言葉を学ぶにあたっては、こちらから積極的に話をするように心がけることが必要だと思います。私たちが思っているよりアメリカ人はシャイな人たちが多く、待っていても向こうから働きかけてくれるわけではないことも多いような気がします。

また、意見をはっきり言う文化がアメリカにはあり、個性を尊重する風潮もあるので、少し変わったことを言っても変な目で見られるというより興味を持ってもらえるということもあると思います。

生活

夕暮れのマンハッタン

Q. 現地の人々の生活水準はどうですか?

ピンキリです。信じられないくらいお金持ちの人もいれば、長期間生活保護を受けて生活している人もいます。

Q. 現地の人々の教育水準はどうですか?

これも様々です。基本的に学校は義務教育なのですが、ホームスクールと言って、子供が学校に行かず、通常は自宅で親の監督下で学ぶという制度もあるため、人によっては十分な教育を受けることができない場合もあるようです。

Q. 現地の治安水準はどうですか? 外国人が特に気を付けるべきことはありますか?

どこに住むかで変わってきます。とても治安が悪い場所もたくさん存在しますので、もし移動を考えておられるなら、十分調べてから来られることをお勧めします。同じ地域でも、道を挟むと全く治安が異なることがあります。また一つの民族が集中している所は、日本人だと分かると犯罪のターゲットになる可能性があるので、地域性をよく理解することも大切です。

アメリカの不屈の精神を見せつけたフリーダムタワー

Q. 現地の住居や住環境の様子どうですか?

場所によって異なりますが、基本的にはなんでも揃っています。

通常アパートや家を借りると、キッチンに冷蔵庫やオーブンコンロなどはついていますし、食洗機がついているところもあります。家具がついているところもあるようですが、どちらかと言えば珍しいです。

家賃も場所によってかなり変わってきます。NYCのような大都市では家賃がとても高いので、シェアをして住んでいる人たちも多くいます。

Q. 現地の生活インフラ(水道・電気・ガス・インターネット)はどの程度整っていますか?

問題ありません。よっぽど田舎に住むとインターネット環境が悪いところもあるようですが、通常は問題ないと思います。

Q. 現地のレストランやファーストフード店、露店など食品を扱う店の衛生状態はどうですか?

NYCではレストランの衛生検査がされていて、法律でその衛生状態のレベルをレストランの入り口に表示させることが義務付けられています。Aが一番良く、B, Cと続きます。トラックなどでテイクアウトの食品を扱っている業者も、2019年より衛生検査がなされ始め、来年までには全てのフードカートは衛生状態の表示義務付けがなされるようです。他の州でもそれぞれに基準を設けているところが多いようです。

Q. 生活に必要な安全な飲用水はどのように調達しますか?

スーパーマーケットなどでペットボトルの水を購入したり、フィルターや浄水器を使ったりすることで安全な飲用水を確保するのが一般的です。場所によっては水道水も飲用できます。

チャイナタウンでは珍しい果物もたくさん

Q. 現地の交通事情や交通機関の様子はどうですか?

アメリカは基本的に車社会です。

NYCに関して言えば、地下鉄とバスがとても発達しているので、車なしでも生活が可能です。日本のように時刻表や予定表はありますが、全く当てにならないことが多いので、今は携帯のアプリで運行状況をチェックするのが普通です。とは言っても、これも当てにならないことがよくあります。大都市のバスなどは、とても時間がかかり、危険な場合もあるので、よく下調べをされることをお勧めします。

Q. 現地の医療水準はどうですか? 医療費は高額ですか?

お金があれば、恐らく世界一の医療が受けられると思います。

保険がなければ医療費は驚くほど高く、日本とは比べものになりません。多くの人が全時間の仕事に就くのは、会社が保険に入れてくれるからという理由も多いようです。

保険に入っていないと医療費はとても高額なので、多くの人はなるべくギリギリまで病院にはかからず、病院へ行った時には手遅れということもあるようです。また通常は、一般内科の先生がファミリードクターとなり、そこから問題のある病気を専門にする専門医のところへ紹介状を書いてもらい行きますが、とてつもなく長い時間がかかることもあります。この面に関して言えば、個人的には、先進国の中でアメリカはとても遅れていると思います。

健康上の問題がある人は、アメリカに来る前にお薬などを出してもらってからいらっしゃることをお勧めします。また、日本で海外保険に入ってくることはとても大切だと思います。それほど大きなことに思えない理由で病院を利用しても、保険を持っていないと莫大な借金をすることになる場合があります。

ブルックリン橋の周りは人気のスポット

執筆者:松井 さほ
執筆年月:2020年12月

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