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各国情報提供

わたしの活動エリア「ケニア」へようこそ!

海外社会貢献者からのメッセージ

空から見たケニア

Q. 世界を活動の場とする社会貢献者にとって、この国はどのような場所ですか?

ケニアはアフリカ大陸の東に位置し、サハラ以南で第三位の経済大国でありながら、キリマンジャロ山、ビクトリア湖と隣り合い、豊かな自然と多様な動植物を有する稀有な国です。首都ナイロビの郊外に国立公園があったり、市内から車で少し走れば野生のキリンやシマウマが道を歩いていたりと、人と動物が共存しています。昔から動植物に囲まれていたためか、ケニア人の動植物保護の意識は低く、急激な経済発展に伴い多くの動植物を損なってしまった過去はありますが、現在では自然保護教育も広まりつつあり、環境保全の活動も盛んになってきています。

ボランティアの観点からいくと、孤児、貧困層や難民のサポート、医療、就労面での支援、環境保護など様々な分野での活動が行われており、日本を含め世界各国のNGOやNPOが参入しています。

そのようにボランティアが必要とされつつも、観光業が発達しているため、人々は外国人に慣れており、またアフリカの中でも経済的に発展しているため、都市部での生活は比較的便利で、辺鄙な場所に住んでいても、都会に行ったり、観光地を訪れたりするなどして息抜きができるため、住みやすい国だと思います。

やりがいのある仕事をしつつ、週末には、サバンナの朝焼けを見ながら車を走らせ、湖のカバの群れをボートで横切って、公園で大きなカメの背中に乗ったり、ダチョウに餌をあげたりして、夜は森にテントを張って焚火をし、天の川を眺める…なんて素敵な生活ができるかもしれません。

文化

マサイ族の放牧の様子

Q. 現地の人々の気質や考え方にはどんな傾向がありますか?

アフリカ人と聞くと、陽気なイメージがあるかもしれませんが、アフリカの国によっては、もっと言えば部族によっても、気質や性格に多様性があります。実は東アフリカの人は、シャイで“No”と言えない人も多いです。断る代わりに、“また明日ね”、“今度ね”という、いわば日本人の“建前”のようなものを言う時があります。

また、アフリカの人はどこでも歌ったり、急にハモったりするというのも、コンゴや南アフリカのような国々でのことで、東アフリカの人は(筆者の独断と偏見ですが)音痴です。それでも、踊るのは好きで、小さな子どもからお年寄りまで、ビートを聞けば自然に踊りだします。冠婚葬祭は大掛かりにやることが多く、特に結婚式は自分の収入に見合わない派手なパーティーをしますが、その時はシャイな人たちも、大胆に踊って楽しみます。

時間にルーズだというイメージは期待を裏切らないでしょう。意外にも、イギリス領だったためか、特に都会ではマナーに厳しかったり、レディーファーストの考え方があたりして、特に教育を受けた紳士からは女性はレディーとして扱ってもらえます。

また、多くのアフリカ諸国と同様、子どもが財産で、貧しくても多くの子どもを持とうとします。そして、現在でも慣習の残っている地域もあるくらい、一夫多妻の文化は根強く、(紳士もいるとはいえ)女性蔑視の傾向もあるので、“男は台所に立たない”などの考えもあり、女性を軽く見たり、不倫関係を容認したりする考え方は、シングルマザーの数の多さの要因の一つであると思われます。

汚職が横行しており、賄賂目当ての役人のせいで、公的書類の申請時や、イミグレーションでのビザの発行・延長時、交通整理の警察官など、一筋縄ではいかないことも多いです。うまく下手に出つつも、きっぱりとした態度で交渉し乗り切りましょう。

Q. 現地の食文化はどのようなものですか?

ケニアの主食は米、豆、そしてウガリです。ウガリは白いトウモロコシを粉にして、お湯で練ったもので、食感、味は伸びないお餅のようなものです。ケニアの一般的な定食といえば、ウガリ+肉か魚の煮込み+緑の野菜を炒めた物のセットで、料理はだいたい塩味かトマト味になっていて、外国人からすると同じような味付けで飽きてしまいますが、現地の人は自分たちの食文化が大好きです。外国から来た食べ物、新しい食文化は受け入れられない、という人も多いです。

肉は牛、鶏、ヤギの肉が一般的で、イスラム教徒の人が経営する肉屋が多く、また現地の人にも豚肉はなじみが薄いため、豚肉が売っている店を探すのは大変です。一方、牛肉は安いですが、硬くて美味しくないので、筆者はあまり好んで買わないです。ナイロビのスーパーでは、ターキーやウサギの肉も売っています。現地の人は淡水魚を食すため、内陸部では海の魚が手に入りにくく、高価です。

インド料理の影響も強く、チャパティーやサモサ、バジヤといったインド料理が、もはやケニア料理として一般的に食べられています。ケニアといえばコーヒーのイメージかもしれませんが、現地の人は砂糖の入ったミルクティーを好んで飲みます。

フルーツは安くておいしいです。マンゴーやアボカドは小さいものなら10円位から売っていて、街中でも果物の木があり、ビワやアボカドは通りかかった時に挨拶して、“ちょうだい”と言うと、タダでくれることもあります。パッションフルーツ、ジャックフルーツ、カスタードアップルといった珍しい果物も試す価値があります。

ケニア人の大好物 ー ウガリ(白)とティラピア(魚)とケールの定食

Q. 現地の人々はどのような生活習慣や宗教観を持っていますか? 現地特有のマナーなどはありますか?

挨拶がとても大事で、日本では忙しそうな人には邪魔をしないように話しかけなかったり、何人か集まっている時はみんなにまとめて挨拶したりすることがありますが、ケニアでは一人一人に、元気?家族は?仕事は?と丁寧に挨拶することがマナーで、話し込んでいる人がいても、割って入って挨拶するほど大切です。

部族間の緊張が強く、未だに同じ部族同士での結婚が多いのには驚きました。特にキクユ族とルオ族は犬猿の仲で、2007年には大統領選に絡んで、この二つの部族間で衝突が起き、千人以上が亡くなり、60万人以上が家を追われることとなりました。外国人が純粋な興味ゆえに部族のことを尋ねるのは失礼にはあたらないですが、名前や顔つきで部族が明らかなことがあるとはいえ、複数の人の前で部族の話題をする際は競争をあおらないように気を遣う必要があるかもしれません。

ケニア人のほぼ100パーセントは神を信じていて、キリスト教徒が8割で、残りはイスラム教徒やインド系のヒンズー教徒などです。義務教育でキリスト教の授業があったり、また宗教はビジネスになったりしており、テレビやラジオでも宗教の番組があるほど、宗教は人々に根付いてます。

気候

暑いイメージのあるアフリカでも高地では防寒着が必要。
雨の中、傘をさす人もいれば、ささない人も。

Q. 現地はどのような気候ですか? 健康維持のために気を付けるべきことはありますか?

ケニアには赤道が通っており、なんといっても“アフリカ”ということで、“暑い”イメージがあるかもしれないですが、都市によっては高地に位置しているために、それほど暑くないところも多いです。海抜1,700mほどの首都のナイロビを例に挙げるなら、暑くても27~28度、寒いと10度くらいで、年間平均気温が20度前後です。湿度も低いので、暑い時でも日陰はとても爽やかです。

注意すべきなのは、ナイロビなどの高地は朝晩と日中で寒暖差があり、日が出ているか、曇っているかでも一日の中での気温が違うので、羽織るものなどがあると良いです。また、来てすぐの時は、ちょっと走っただけで息が切れるなど、高山病とまではいかないですが、多少の高地特有の変化は体に感じると思います。

ナイロビは赤道以南にあるので、季節感は日本とは逆で12~2月が一番暑く、7~9月が一番寒い時期です。といっても四季はなく、ずっと春か秋のような感じで、またマイルドな雨季と乾季があり、一年に2回、4月頃と11月頃には日本の梅雨の時期のような雨の降り方をします。

沿岸部とビクトリア湖周辺では、一年中暑さと湿気があり、多くの家庭では冷房なしで、あっても扇風機くらいの設備ですが、日本の真夏の暑さに比べると、そこまで不快ではないので、クーラーはなくても過ごせます。

赤道が近いので、一年を通して日の入りや日の出の時間もあまり変わりませんし、紅葉や落葉もないので、季節感は失いやすいです。また、土埃も多いので、特に乾燥している時はお肌のケアと、電子機器を埃から守ることを心がけましょう。

Q. 現地特有の風土病はありますか? 健康維持のために役立つ対処方法はありますか?

一般に聞くのは、マラリア、腸チフス、デング熱、寄生虫による病気です。

マラリアやデング熱は蚊を媒介するので、虫刺されに気をつける必要があります。マラリアは恐ろしい病気というイメージがあるかもしれませんが、悲しいことにアフリカには、適切に治療を受けられない方が多くいるために、亡くなってしまう方が多いだけで、治療を受けられさえすれば、インフルエンザより軽い場合も多いので、それほど怖がる必要はありません。

また、マラリアは暑い地域、衛生的でない地区やスラムなどでよく聞きますが、それ以外の場所では、そもそもあまりかかることもありません。虫よけスプレーや蚊帳などを使うことと、そしてなにより栄養・睡眠をしっかりとることで対策できますが、特に蚊の多い地域や、医師のいないようなところに行くなら、予防の薬を飲んでおくこともできます(飲んでいてもマラリアにかかることもあるそうですが)。外国人は高い薬を勧められることがあるかもしれせんが、Doxycycline 100などは現地の薬局で安価に手に入るので、尋ねてみてください。

予防注射は黄熱病の予防注射が必須で、入国時に証明書を見せなければなりません。ない場合は、空港でお金を払って受けることになります。その他、破傷風、A/B型肝炎などを受けておくと安心だと思います。

言語

現地で購入したスワヒリ語の教科書

Q. 現地の人々はどのような言語を用いていますか? 外国人にとって、現地の言語を学ぶ際に、どんなハードルがありますか?

公用語は英語とスワヒリ語で、加えて、ケニアには部族が50以上あると言われていて、それぞれの言語もあります。田舎に行くと英語が通じないこともありますが、都市部では英語とスワヒリ語と自分の部族語の計3言語を話すことができる人が多いです。

ケニア人の話す英語は、語彙はイギリス英語で、アクセントは自分の部族語の影響を受けているためか、人によって訛りが異なるので慣れが必要です。ナイロビでは英語が話せれば生活に支障はないですが、一般の人は英語とスワヒリ語を混ぜて話すので、スワヒリ語を覚えて、普段から使うようにすると、“この人はケニアでの生活が長い”と思われ、ぼったくり対策、値段交渉に有利に働きますし、何より現地の人には親しみを持ってもらえます。

スワヒリ語は、文法は少し難しいですが、発音は日本語に近いので、フレーズを丸ごと覚えて使い回すようにすれば、スワヒリ語を学ぶのもそれほど難しくはないです。語彙も日本人にとって馴染み深いものが多いです。例えば、日本でもよく耳にする“サファリ”はスワヒリ語で“旅”、ジェンガは“建てる”、“シンバ”はライオンという意味ですし、日本語に似た音の言葉も“シンゴ”は首、“モト”は熱い、“マジ”は“水”などと数多くあります。ただし、純粋な“スワヒリ語”は沿岸部、またはタンザニアで話されているもので、ケニアの大部分で話されているスワヒリ語は、教科書通りではないことが多いので、気をつけてください。

生活

ナイロビの動物孤児院にて ー 密猟等で親を失った子ゾウ達

Q. 現地の人々の生活水準はどうですか?

貧富の差がとても激しく、物乞いをする人も多い反面、海外の高級車やプール付きの大きなお屋敷も街に驚くほどあふれています。興味深いことに、スラム街と高級住宅街はセットで隣り合うように位置します。それは裕福な人の家や彼らが行くお店で働く人々がスラムから来るためです。

ナイロビでは、ハウスメイドなどは、通いだと月に5~6千円、住み込みでも1万円前後しか稼げないのに対し、雇い主はその30倍、50倍、それ以上稼いでいるということもざらです。そのため貧しい人たちは、お金持ちから施されるのは当たり前という態度になっており、仕事ができ、信頼できるハウスメイドを探すのは至難の業ですし、感謝の念が育ちづらいことが多く、悲しいことに貧しい人の自立支援も、考え方から変えなければならないので、難題だらけです。また失業率が高く、若者の人口が多いので、大卒であっても仕事に就けない人が大多数で、社会問題となっています。

ナイロビには大きなショッピングモールも多数あり、逆に大きな中古マーケットもありますので、節約しようと思えば少ないお金で暮らすこともできますし、簡単に贅沢もできます。地方の都市や、田舎の方に行くと、大抵生活費はナイロビの半分以下ですみます。余談ですが、携帯電話でお金のやり取りをするシステムもあり、銀行口座を持っていない、あるいは近くに銀行がないマサイ族の人たちが、牛の売買のための金銭のやり取りを携帯で行うこともあるくらい普及しています。

Q. 現地の人々の教育水準はどうですか?

教育も格差が激しく、他のアフリカ諸国よりは教育水準は高いとはいえ、未だに満足な教育を受けられずに働かされたり、また障がいなどを持っているためにネグレクトされていたりする子どもたちもいます。それでも多くの子どもたちは学ぶ意欲にあふれ、クリエイティブな人も多く、新しいビジネスに挑戦しようという若者も多いです。

その反面、拝金主義、物質主義的な傾向も強いです。大人の識字率は8割程度で、多くの人は読書が好きで、職場で新聞や聖書などを読んでいるケニア人は多いです。

イギリス領だった影響か、全寮制の学校が多く、子どもの頃に家から離れて親の目の届かないところで集団生活をして、教師たちから体罰や過酷な扱いを受けてきたという“あるある話”をよく聞くので、基本的に子どもたちは日本ほど庇護されてはいないと思います。その代わり、ちょっとしたことでも動じず、泣かない強い子どもは多いのですが。

英語が話せることや発展途上国であることから、世界各国、特に英語圏の大学に奨学金をもらって進学するというケースもよくあり、ケニアには外国で生活していた経歴を持つ人は少なくないです。

高級住宅街にあるショッピングモール

Q. 現地の治安水準はどうですか? 外国人が特に気を付けるべきことはありますか?

都市部では、外国人も多く、現地の裕福な方も多いので、意外にその中に紛れることができ、日本人が思う“アフリカ”のイメージより治安は良いので、着いてすぐの時は逆にハードルが落ちて、普通に暮らしてしまうかもしれません。それで、新しい人や観光客は、振る舞いなどで浮いてしまい、泥棒に狙われやすいので、初めのうちは慣れている人と行動を共にすると良いです。

貴重品を身に着けない、簡素な格好をするなどに気をつけて、一部の治安の悪い場所さえ行かなければ、日中に外国人の女の子が一人で行動しても全く問題はないです。夜間は道を歩いたりバスを利用したりすることは控えたほうがいいです。お店やモールなどへ行くことは問題ないですが、移動は自家用車やウーバーなどを利用し、流しのタクシーなどは信頼できないので避けるのが無難です。

空き巣や強盗は頻繁に起こるので(特に12月)、お金などは分散させて保管するか、盗まれても痛くない額のみを家に置いておくのが良いです。スリも多く、特にバスの中では注意が必要です。大きな荷物や封筒などを、こちらのカバンの上に重ねて死角を作ったり、わざと物を落として注意をそらしたりしている間に、スマホや財布を抜き取るという手法があります。

田舎の方が犯罪は少ないですが、逆に外国人が目立つのでターゲットになりやすいという難点もあります。また、若者が暴動を起こし、警察と衝突することもあるので、群衆には気をつけてください。

Q. 現地の住居や住環境の様子どうですか?

ナイロビでは、外国人向けの、警備員が常駐するようなセキュリティーの良いアパートは、3LDK以上の大きい家が多く、コンパクトで経済的、かつ安全な良い家を探すのには苦労します。家賃に光熱費や管理費なども含まれているかは物件によって違うので、契約時には必ず確認し、すべてを細かく書類にして契約書を交わすのが必須です。家賃はナイロビでは一か月5~10万、地方では5千円~数万円ほどです。

不動産屋さんに頼んで、いろんな部屋を見せてもらうこともできますが、仲介料を不当に取られるなどのトラブルになることも少なくないので、信頼できる会社を選ぶことと、気になったアパートを自分で直接訪ねて探すということもできます。見ただけではわからない治安の悪い道、地域というのもあるので、住みたい地域を決めたら、現地に住んでいる人に尋ねることも良いです。特に外国人は意識が高く、視点も自分たちと似ているので、外国人に聞くのも手です。

またどんなにセキュリティーの整ったアパートでも、比較的高層階に住んでいたとしても、特にナイロビでは泥棒からは逃れられません。筆者は警備員が2人以上いるアパートで一度空き巣に入られました。また別のセキュリティーの高いアパートの5階に住んでいた時、ある夜、窓の鍵が開いていた一つ上の階に泥棒が入りましたが、その翌日自宅のベランダを見ると、大きな裸足の足跡がくっきりと開き戸のところまで残っていました。夜中だったので鍵を壊す事がはばかられてあきらめてくれたのは幸いでしたが、身一つでビルの6階まで簡単に登ってきてしまう身体能力には驚きました。

電気・ガス・水道が通っていない家庭での調理の様子

Q. 現地の生活インフラ(水道・電気・ガス・インターネット)はどの程度整っていますか?

水道や電気は多くの都市で比較的安価で供給されていますが、地方では、水は川、湖、井戸などで汲んで、電気は小さな太陽光パネルに頼る、ということもよくあります。

都市でも停電や断水は少なからず起きますので、普段から予備のバッテリーや、水を常備しておいたり、アパートは発電機や予備の水のタンクが設置されているところを借りたりするなら、ストレスを減らせます。

ガスはシリンダーで売っているので、割とどこでも手に入りやすいですが、現地の人は炭や薪で料理する方も多いです。現地の人には水や電気が貴重なため、シャワーは平均気温が低い地域でも常温であったり、あるいはたらいで済ませるというところも多かったりするので、ホットシャワーが付いているか、あるいは後で自分で設置することが可能かも確かめるといいです。

インターネットは都市部では比較的安定していて、ナイロビでは光ファイバーの通っているアパートも多く、月々3千円程度です。たまにネットが途切れることもありますが、繋がっているときは動画を再生できるくらいの速さは出ます。地方では固定回線がないところが多く、その場合は携帯の電波に頼るしかないので、家を借りる際には携帯の電波がきちんと届くか確認すると良いです。会社によりますが、一か月5ギガほどで500円から千円程度で済みます。

Q. 現地のレストランやファーストフード店、露店など食品を扱う店の衛生状態はどうですか?

露店や水道の通っていないお店は避け、移動しながら売っている食べ物も信用しない方が良いです。ナイロビではおしゃれなカフェやレストランがたくさんあり、そういったお店では安心して食べられますが、数年前に高級ホテルでコレラが発生した例もあるので、生野菜等は極力避けるのが無難だと思います。(多くの外国人は気にせず食べているのですが一応…)ナイロビでは、世界各国のレストランがあり、UberEats等の配達システムも発達していて、食べることは現地の外国人の憩いや娯楽の一つとなっていますので、楽しんでいただけたらと思います。

Q. 生活に必要な安全な飲用水はどのように調達しますか?

飲料水はボトルで買うこともできますが(必ず未開封の物かを確認する)、意外にも多くの地域では沸騰させれば、水道水を飲むことはできます。ただ、水道水に土や泥などが混ざっていることもあるので、濾過器で水道水を濾過したもの煮沸して、料理や飲料用に使うのがおすすめです。田舎では雨水を溜めたり、湖などの水を引いたりして使うところもありますが、水を消毒するための薬品も売っているので、必要に応じて使うこともできます。

水道水をそのまま飲んでいる現地の人も多いので、現地の方に水を出された時には、さりげなくどういう処理をしたものか確かめてから飲むのが安心です。道路わきの芝生に水をあげている作業員が、草花にあげていたホースの水を、そのまま自分の口に向けて飲んでいるのを目撃することもよくあるくらいなので…

水汲みをする子ども達

Q. 現地の交通事情や交通機関の様子はどうですか?

都市は渋滞が多いので、特に雨の日やラッシュ時は早めに行動するようにします。バス、タクシー、バイクタクシー、一部地域ではトゥクトゥクなどが一般的な交通手段です。

バス路線は発達していますし、外国人でも気軽に利用できますが、停車駅の看板や時刻表・路線図がないので、まずは慣れることが必要です。金額は20円位からで、距離と時間帯と、お金を徴収するコンダクターの気分次第で変わります。バスは法律で立ち乗りが禁止されているので、乗ったらすぐに着席することと、停車駅が決まっているのでどこでも好きなところで降ろしてくれるわけではないのは注意が必要です。

Uberなどのアプリを使ったタクシーも発達していて、比較的安全に、煩わしい値段交渉もせずに利用できます。普通のタクシーは値段も割高ですし、乗車記録も残らないので、信頼できるドライバーでもない限りあまりメリットはありません。ケニアはルールを無視したり、危険な運転をしたりする人も多いので(試験でエンジンさえかけられれば免許が取れてしまうくらいなので)、バイクタクシーを利用する際は必ずヘルメットを着用するようにしてください。

地方に行く場合は長距離バスなども安価に旅行する助けとなります。バス会社によって、運転手の質が悪かったり、時間を守らなかったりする等の問題もあるので、注意深く選ぶ必要があります。また、ナイロビ―モンバサ(沿岸部の大都市)間は鉄道も運航しています。

Q. 現地の医療水準はどうですか? 医療費は高額ですか?

外国で医療を学んだ医者も多く、ナイロビには、周辺のアフリカの国々から患者がやってくることもあるほどアフリカの中では水準が高いとはいえ、やはり先進国には遠く及びません。医療従事者への給料や扱いもひどいものなので、それが患者への扱いにも反映されていると思います。大病は日本で治療する方が安心できます。

また病院によっては診察、検査などが全て前払いであったり、良い保険に加入していることがわかると、いらない検査や薬を提供してきたりする病院も多いので、周囲の評判に耳を傾けるのが良いです。

よくある軽い病気なら、薬局にて薬を処方してもらえることもあるので、近くの薬局の薬剤師に相談するのも一つの手です。筆者は5年の滞在で二回、風邪をこじらせて中耳炎になった時と、車に足をひかれた(加害者が支払いました)際に病院に受診しましたが、それぞれ保険はなく実費で、診療代は2~3千円、薬は中耳炎の抗生物質や咳止めで2千円程度、レントゲンは5千円位だったかと記憶しているので、それほど高額ではないと思います。

ナイロビのダウンタウンのバスターミナル

執筆者:Y.Y
執筆年月:2020年10月

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