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各国情報提供

わたしの活動エリア「ベルギー」へようこそ!

海外社会貢献者からのメッセージ

ライトアップされた夜のグランプラス

Q. 世界を活動の場とする社会貢献者にとって、この国はどのような場所ですか?

ベネルクス三国(ベルギー、オランダ、ルクセンブルグ)という言葉を社会科の授業で習った覚えがありますが、ベルギーはオランダ、ルクセンブルグ、ドイツ、フランスと国境を接しています。

海を隔てた向こう側にイギリスがあるという場所に位置するヨーロッパの小国で、歴史も比較的浅いのですが、王制が今も続いている数少ない国の一つです。

首都ブリュッセルには欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)の本部などが置かれています。植民地時代の名残でコンゴやモロッコといったアフリカの国々との関係も深く、多くの異なった国々から来ている様々な人種や民族の人々が暮らしています。

純粋なベルギー人を探すのが大変なくらい、国際結婚も多いです。したがって、ヨーロッパ諸国の言語だけでなく、アラビア語、リンガラ語など様々な言語での社会的また文化的貢献が可能です。

戦後日本との国交回復が最も早く、便利な土地柄か日本企業も多く参入しています。特に自動車関係が多いように感じます。

日本人学校(小学校と中学校)があり、土曜には補習校もありますので、周辺には駐在員の方の多くがご家族で住んでおられます。駐在員はだいたい平均3から5年くらいの任期でいらっしゃるようなので、比較的入れ替わりが激しいといえます。

エリザベートコンクールという、声楽、バイオリン、ピアノ、作曲の4種目を交代で行う世界的に有名なコンクールがあるため、日本人音楽家の方や学生も少なからずいらっしゃいますので、日本語でのサービスや社会的貢献の場もあると思います。

人口密度は日本とあまり変わらないのですが、高低差が少なく、首都周辺でも比較的緑が多く、大きな街路樹や大きな公園があったり、ちょっと足を延ばせばすぐに森や畑が広がって、自然に容易に触れたりすることができる国であるといえます。

北方は北海に面しているので海水浴を、南方のアルデンヌ地方は少々アップダウンがあるので冬になればちょっとしたウインタースポーツを楽しめます。

国自体の歴史は浅いとはいえ、ヨーロッパの歴史は様々な建築や芸術にしっかりと残されており、世界遺産に登録されているものも多いです。

ブリュッセル、ブルージュなどの観光地へ行けば、石やレンガ造りの様々な古い歴史的建造物を見たり、有名な絵画などを鑑賞したりすることもできます。またアルデンヌ地方へ行けば古城や城塞めぐりなどもできますので、特に夏場は多くの観光客でにぎわっています。 

文化

ブリュッセル、グランプラス
2年に1度のフラワーカーペット

Q. 現地の人々の気質や考え方にはどんな傾向がありますか?

現地の人々の気質でよくいわれるものは、合理的ということです。伝統だからとか、規則だからといった理由ではなかなか納得することはなく、合理的であるということをよしとする人が多いと思います。

また「言わないことはないことと同じ」というコミュニケーションを重んじる文化もあると思います。初めは冷たく断られるようなことがあっても、話していると譲歩してくれるということはよくあることです。

明るく挨拶の言葉をかけるだけで、パッと笑顔になって話してくれます。言語が複数に分かれている国ですから、上手にコミュニケーションをとることが大切です。

例外はあるかもしれませんが、全体的に人々は温かく、すぐに助けの手を差し伸べる、親切をよしとする文化だと思います。

離婚はとても多いですが、家族はとても大切にしていて、毎週のようにそれぞれの実家で食事をしたり家族で集まったりしています。

個人主義であまり他人に干渉しませんし、他人の目も気にしません。公には自由や多様性を重んじていて、性別による差別もありませんが、個人レベルでは、やはり有色人種への偏見がないとは言い難いと思います。 

Q. 現地の食文化はどのようなものですか?

食文化は、フランス料理とカトリックの影響があり、とても豊かであるといえます。ミシュランの星付きレストランの値段がフランスよりもずっと安いということも有名な話です。

1人前の分量も多めです。世界各国のレストランもたくさんあり、いつもにぎわっています。日本食レストランもいくつかあります。

代表的な家庭料理は、牛肉のビール煮込みのカルボナード・フラマンド(フランス語からのカタカナ表記です)、魚や鶏肉、野菜やジャガイモなどを生クリームで煮たワーテルゾーイなどがあり、1人前が1,2キロというムール貝も有名です。

ムール貝の旬は9月から12月とされています。北海産の小エビも有名で、カクテルソースで和えてトマトの中に詰めたり、クリームコロッケなどにしたりしています。野菜のチコリも有名で、ハムで巻いてグラタンにしたり、サラダで食べたりします。

付け合わせはフライドポテトが人気で、フライドポテトはベルギーが発祥と言われ、各人が大変なこだわりを持っています。

ビンチェ種のジャガイモが最も適しているとされ、9mm角、2度揚げが基本とされています。牛脂で揚げるものが最も良いとされていましたが、最近は健康のことを考えて植物油で揚げるお店もあります。

ソースはマヨネーズが基本です。フライドポテト専門のスタンドがあちこちにあり、有名店は行列ができるほどです。

ビールも有名で、修道院などで作られるトラピストやアベイビールなどのほかにもどんどん新しいクラフトビールが出てきていて、800種類はあると言われています。

ビールを作っている修道院ではビールに合うチーズも作っていて、これらはワインには全然合わないという不思議なチーズです。

ベルギーと言えば、チョコレートやワッフルも有名です。チョコレート店は星の数ほどありますが、原材料を売っているのは2軒だけということです。したがって、値段も味も横並びで、どれを食べても美味しいですので、お気に入りを見つけるのも楽しいかと思います。

ワッフルはブリュッセルタイプとリーエジュタイプがあり、日本で有名なのはリエージュタイプかと思います。

スーパーで売っているものはバターを使っているものを選べば美味しいですが、老舗や人気店で食べるものはやはり格別です。1つの大きさはだいたい手のひらくらいで、大きさに驚く人もいます。

各家庭では、比較的シンプルな料理を作って食べている気がします。食事に呼ばれても、凝った料理を出すのではなく、交友の方に重きが置かれているので、料理をする奥さんたちもゆったりしています。

食前酒とおつまみで全員揃うのを待ち、前菜にはサラダかスープ、メインには肉か魚に付け合わせのジャガイモや野菜が出てきます。最後のデザートが出てくる頃には10時半や11時になっていることもあります。それからコーヒーを飲んだり、食後酒を楽しんだりして、夜遅くまで交友を楽しみます。 

赤ワインとフランスのチーズ
パンにバターが必ず付いてくるのがベルギー流

Q. 現地の人々はどのような生活習慣や宗教観を持っていますか? 現地特有のマナーなどはありますか?

生活習慣で日本と異ならないところを探す方が難しいと思います。

レディーファーストは徹底されていて、女性には住みやすいところです。日本人男性が女性より先にドアから出たりエレベーターに乗り込んだり、さらにはドアを持って後ろの人を待つことすらしていないことがあり、大変なひんしゅくを買っています。

男性が一緒にいる女性に荷物を持たせて歩くなんてこともしません。公共の場所でベビーカーを押している女性が交通機関に乗るときは、近くにいる男性がすぐに助けます。

子供が声を出してもみんなニコニコして見ています。女性や子供、年配の人たちにも人間味のある優しさを示し合います。共働きならば家事や育児も平等に分担します。

食事中に大きな声や音を出すことなどはタブーです。日本人はお酒に弱く、ちょっと飲んだだけですぐに大きな声で笑ったり話したりしますが、レストランではひんしゅくを買います。

そういう点では、子供を連れていけないレストランも多くあります。そういう所はシッターを頼むか親に預けて出かけるようです。

基本的に、労働者の権利を重視していますので、行列ができていても時間になれば平気で窓口を閉めます。閉店時間は文字通り最後の店員がドアに施錠をして出る時間なので、ギリギリでは入れてもらえません。

スーパーでレジが混んでいてもみんな辛抱強く待ちます。バスや電車も時間通りにはあまり来ませんし、混雑していない時間は勝手に間引きされたりもします。

休み明けや衝撃的な事件があると、大抵は大きなストライキがあり、高速道路が封鎖されたり、鉄道が動かなくなったりします。

こうしたことはすべて労働者の権利であり、自分も労働者なのだから理解し合おうということのようです。なんでも秒で解決されないと気が済まない日本人でも、ここに来ると否が応でも辛抱強さや忍耐力を身につけなければなりません。

近所の人とすれ違ったら必ず目を見て挨拶するというのも、当たり前ですが大切なこととされています。目を見て話をしないことは不誠実とされます。子供たちもしっかり挨拶できます。

笑うことに関して、まだ私もはっきりとは理解できていないのですが、かわいい子供を見て笑った(こちらは可愛いから微笑んでいるつもり)だけなのに、馬鹿にしたと憤慨されることもあります。叱られて照れ笑いをしていると、不誠実だと誤解される笑いもあるようです。

宗教に関しては、カトリックが国教になっています。とはいえ、信者ではあるが実践はしていないという人が多く、教会に通う人はどんどん減っているようです。

多種多様な人々がいるため、ほかの宗教の建物も目にしますし、一目で分かる宗教的な服装をしている方たちも多く目にします。無神論者も多いですし、裕福な人たちの間では、仏教的な思想も人気があります。 

気候

アルデンヌ地方の雪景色

Q. 現地はどのような気候ですか? 健康維持のために気を付けるべきことはありますか?

地球規模の温暖化で、ここ数年は平均気温が上がってきているとはいえ、北欧ですのでやはり冬が長く、厳しいです。

雪は降ってもたくさん積もることは稀になっていますが、気温が低いのでいつまでも残ります。

晩秋から冬は雨も多く、一日中どんよりしたねずみ色の空で、いつ日が昇っていつ沈んだのか分からないような日もあります。緯度が高いので、冬場の日の出はとても遅く、9時くらいにならないと明るくならないこともありますし、16時にはもう暗くなってしまいます。

それで、冬季うつ病のリスクがあるといえます。なるべく家の中では暖かくして、ライトやキャンドルをたくさん付けて明るく暮らし、室内でも楽しめる趣味や運動ができるとなお良いと思います。

ビタミンD不足も国民病というくらいですので、サプリメントなどで積極的にとるように医者に勧められます。

雨がとにかく多いです。20年前にここへ来た時は1年に270日は雨だと言われました。最近の気候変動で日数がどれくらい変わっているのかは分かりませんが、少なくなったとは思いません。

雨の降り方は霧のようで、降ったり止んだりも多く、風もあらゆる方向から来るので、昔のベルギー人は傘を差さない人たちでした。しかし、最近の雨の降り方はもっと激しいので、やはり傘は携帯しておいた方がいいと思います。

傘を差さない代わりに、現地の人たちはしっかりと雨をはじき、風も通さないフードの付いたジャケットを愛用しています。天気が悪いのと寒さでウールのコートの出番は少ないですし、ダウンも最近になってようやく入ってきた程度ですが、やはり防寒具は濡れるということをいつも意識して選ばれていると思います。

雨が多くて日が短い冬は、ついつい家の中でぬくぬくとして、美味しいものを食べてしまいがちで、運動不足になってしまいます。

日本ではよく天気の話が出て、天気に一喜一憂していますが、ここでは天気の話題は挨拶には含まれません。天気のことを考えると気が滅入るからです。

それで、ここに来たら天気のことはなるべく考えないようにし、よほどの大雨でない限り、雨が少々降っていても外出をして活動的に暮らしています。

夏はカラッとして涼しく、エアコンが欲しいと思うのはほんの数日というのが以前の気候でしたが、ここ数年は40度を超えるような暑さになる夏もあり、または雨が多くてずっと肌寒いなんていう夏もあり、大変不順です。

日が長くて23時にもまだ明るいなんていう時もあるので、ついつい夜更かししがちになります。 

Q. 現地特有の風土病はありますか? 健康維持のために役立つ対処方法はありますか?

特にありません。 

言語

ブリュッセル市内はフランス語とオランダ語に加え、英語の3ヶ国語表示の所もある

Q. 現地の人々はどのような言語を用いていますか? 外国人にとって、現地の言語を学ぶ際に、どんなハードルがありますか?

公用語は、フランス語、オランダ語、ドイツ語の3つで、それぞれ国の南部のワロニー地方、北部のフランダース地方、東部のドイツとの国境地域で話されている言語です。

私はフランス語圏に暮らしていますのでその他の地域の詳しいことはあまりわかりませんが、フランス語は大変複雑なので、学ぶのには時間がかかりました。

そして、ベルギーのフランス語はベルギー独特の表現もあるので、フランスに行ったら通じないから気を付けるようにと先生に言われることもあります。語学学校は多くあり、あらゆる言語を学ぶことができますが、外国人が語学学習のみで留学できるようなシステムは存在していません。

首都圏や観光地ではたいてい英語が通じますし、その他の地域でも、英語のできる人を探してくれたり、辛抱強くコミュニケーションを図ろうとしてくださったり、優しい人たちが多いので助かっていました。

ただ、国内で言語による若干の不和のようなものがなきにしもあらずなので、覚えたてのフランス語を、観光地であってもブリュッセル以外のオランダ語圏で使うのはあまりお勧めしていません。

私はそれで何度か、レストランやお店で嫌な思いをしました。本当はオランダ語も習ったらいいのですが、さぼっていますので、オランダ語圏に入ったら英語を使うようにしています。

オランダ語圏の方たちはたいてい英語ができます。逆にオランダ語圏の方がフランス語圏に来たら、オランダ語が全く通じないので嫌な思いをされることもあるようです。時々、それぞれがお互いに持っている偏見に基づいた物言いに驚くことがあります。

したがって、ベルギーでは、言語の違いに関しての話はあまりしない方がよいかもしれません。 

生活

古都ゲント、夏場の観光シーズン

Q. 現地の人々の生活水準はどうですか?

生活水準は普通の先進国と同じかと思います。消費税は税込み価格表示なので分かりにくいですが、20%以上で、所得税も最高50%という世界でも屈指の税金大国です。

しかし、食料品や光熱費は全体として日本よりも安く、社会保障もしっかりしているので、暮らしやすいと感じます。

時給で支払うようなアルバイトというシステムがなく、パートタイムで働いても、雇い主は保険に入り、有給も同じように出さないといけないので、パートタイムを2人雇うより全時間働ける人を1人雇った方が安いと考える雇用主が多く、パートの仕事を見つけるのはなかなか大変のようです。

学生だけは、年に決められた時間内であればアルバイトができるようです。失業手当や生活保護などが手厚いため、そういうものに不正に頼って暮らしている人たちもたくさんいますが、働けなくなったり、いざという時になったりすると頼りになります。

コロナ禍で大変長い間ロックダウンになりましたが、休業中の保障もきちんとあったと聞いています。

レストランはデフレで低価格の日本と比べるととても高いと思いますが、現地の人たちはレストランが大好きで、毎週必ずレストランに連れて行かないと離婚になる、という笑い話を聞いたことがあります。

都市部には移民や若い人たちが多く住み、結婚して子供ができると郊外へ引っ越すというパターンが多いようです。

ベルギーの人達は「生まれつきレンガがお腹にある」と言って、自分で家を建てて住むというこだわりを持っている人が多かったのですが、最近の若い方たちは違うように感じます。

税金が高いため、夫婦共働きが基本になっています。子供たちは託児所や祖父母の家に預けられ、夏休みもスタージュ(長期休暇用学童保育)を予約して預けられていますが、産休や育児休暇、有給休暇などの制度も大変しっかりしているので、あまり不満を聞くことがありません。 

Q. 現地の人々の教育水準はどうですか?

教育は高校までが義務教育です。学校は小学校の後に中高一貫校へ通うのが普通です。

落第のシステムがあり、2回落第するとレベルの低い別の学校へ転校することになります。基本、どの学校へ通うかは選べるようです。

義務教育の間に必ず2か国語以上習うようですが、フランス語圏ではフランス語以外を学校で話せるようになる人たちは少ないようです。

オランダ語圏の教育制度はしっかりしているため、全員がバイリンガルまたはトリリンガルになるのが普通です。

企業で働くにも、首都圏では最低2か国語以上話せることが条件になってきます。日本人の場合は、日系企業なら日本語と英語だけでも就職はできる可能性はあると思いますが、見つけるのはなかなか難しいと思います。

大学は入学金がとても安く、だれでも望む人が簡単に教育が受けられるようになっていると思います。ただ、落第や飛び級などの制度もあります。進級や卒業が難しく、実際に卒業する人、またストレートに卒業する人は非常に少ないです。

最近の義務教育では、日本で習うような美術、書道、家庭科、音楽などを習わないようで、簡単な歌も上手に歌えず、簡単な料理や裁縫すらできないという人も多くいます。

また学校では掃除もしません。そのようなことは家庭で親や祖父母から習うか、裕福な家庭では人を雇ってするものという概念があるようです。

学校を出て生涯働くことが目標とされるので、専業主婦はあまりおらず、初めて会う人にはまず職業を尋ねられます。専業主婦ですと言うと、「よっぽどご主人の稼ぎがいいのね」と嫌味を言われることが多くあります。

音楽などの芸術を習いたい場合は、学校が終わってからアカデミーに通うようです。音楽に関しては、世界的なコンクールなどが開催されていることもあり、留学で来ている人達は多いようです。

公共の機関が主催する様々な習い事があり、比較的安く習うことができる印象を持っています。 

近所の中高一貫校
玄関の看板には、社会人コースについての案内もあります

Q. 現地の治安水準はどうですか? 外国人が特に気を付けるべきことはありますか?

私が住んでいる地域は比較的治安はいいですが、都心部へ行けば、やはり場所によっては危険な場所があります。

例えば、ブリュッセル南駅や北駅周辺は、宿泊先や住居の候補としてお勧めできません。

スリ、置き引きの類はどこに行ってもありますので、いつも注意が必要です。観光地ではレストランのぼったくり被害などの話も聞いています。

また、売春やいわゆる「ソフト」な麻薬も合法化されていますので、夜間の繁華街やバーなどでそのようなものに遭遇する場合もあります。

大使館や外務省にメール登録をすると、気を付けるべきことについての詳しい情報を得られます。メールでは、偽警官やアイスクリーム強盗、留守を狙った空き巣やホームジャックなどの情報も時々入ってきます。

家の中や車の中にいても常に施錠をし、外にいる時は周囲や持ち物に気をつけてください。これみよがしにブランド品などを持ち歩かないようにし、最新の携帯電話やタブレットなどの機器を使う時も注意します。

現地の人たちは現金もあまり持ち歩きません。ほとんどの会計は銀行のデビットカードやクレジットカードで済ませることができます。現金を引き出す時は、周囲に気をつけるようにして下さい。特に人気のない場所の夜間には注意してください。 

Q. 現地の住居や住環境の様子どうですか?

住環境は比較的良いと思います。日本や他の国の大都市と比べたら、住居は広くて家賃も安いのではないかと思います。

ただし、首都圏で安い物件は場所や設備などの条件が良くない場合もありますので、注意が必要だと思います。

家賃には光熱費も含まれていることが多いです。その辺りも何が含まれて何が含まれていないのか、一律ではありませんので、注意が必要です。

特に、水道代が含まれている場合、日本人は毎日お風呂に入ったり髪を洗ったりする人が多いので、そうすると同じアパートの住人全員の水道代が上がることになり、苦情を言われてしまったり、トラブルのもとになったりします。 

近所のアパート
都心部より建物が低く、建て方も余裕があります

Q. 現地の生活インフラ(水道・電気・ガス・インターネット)はどの程度整っていますか?

インフラは普通だと思います。

ガスは引かれていますが、調理はガスではなく電気でする家庭が多いと思います。

セントラルヒーティングがあれば、寒い冬も大変快適に過ごせます。それも家を探す条件にしたほうがよいと思います。

セントラルヒーティングは温度設定をしてつけっぱなしにしておくのが一番効率良く、光熱費も抑えられます。我が家では10月から6月まではつけっぱなしにしていて、短い夏の間はエアコンをつけっぱなしにしていますが、光熱費は日本の家庭より断然安いです。

エアコンもなければ網戸もついていない家やアパートが多いので、夏場開けておくと虫の被害に遭います。簡単につけられるものもあるので、虫が嫌いな方は考慮したほうがいいと思います。

インターネット環境は普通です。ただ、お隣のフランスなどと比べると携帯電話の通信費はとても高いと感じます。携帯電話についているギガが値段に比べてとても少ないです。これから5Gになっていく時に、変わってほしいものです。 

Q. 現地のレストランやファーストフード店、露店など食品を扱う店の衛生状態はどうですか?

レストランの衛生状態に問題はありません。定期的に公的機関によるチェックが入っているようです。露店も見た目が大丈夫なら問題はないと思います。 

Q. 生活に必要な安全な飲用水はどのように調達しますか?

水道水の管理は徹底されているので、水道水を飲むことも可能です。水道局に務めている友人たちによれば、ボトルの水より安全ということです。

しかし、日本と同様、精力的に水道管交換工事をしてはいるようですが、古い水道管による影響はゼロではないと思われます。

塩素臭が気になる人もいます。それで、ペットボトルの水を買う人が多いと思います。ペットボトルの水は、フランスと比べると高いようで、わざわざ国境付近のスーパーまで買い出しに行く人もいるようです。浄水器なども簡単に購入できます。

レストランでの飲料水は、フランスやドイツと違い、水道水を出してくれません。水もすべて有料です。 

チョコレート屋さん

Q. 現地の交通事情や交通機関の様子はどうですか?

首都圏や地方の大きな都市には地下鉄その他の公共交通機関があります。

最近、鉄道のSNCBとブリュッセルのSTIB社、フランダース地方のDe Lijn社、ワロニー地方のTec社の利用料金がすべて共通で支払えるようになったようです。

SNCBの鉄道も回数券などを利用すれば比較的安く国内を移動できます。

車は左ハンドル右側走行で、日本と逆です。ロータリーや右側優先など日本と違う交通法規があるので、運転の際は注意が必要です。高速道路が無料なので便利ですが、ラッシュの時間だととんでもなく渋滞します。

国外へも車、電車、バスなどで簡単に移動できます。パリへはTGVで1時間15分、ロンドンまではEurostarで2時間です。アムステルダムまでも短時間で行けますが、ドイツ、ルクセンブルグまでの電車は車で行くよりも時間がかかります。周辺国へ行くなら格安バスも出ています。 

Q. 現地の医療水準はどうですか? 医療費は高額ですか?

医療水準は普通です。罹患率が日本より高い病気に関しては日本より進んでいることもあります。

医療費削減のため手術前の抗生物質の注射ができなくなり、その結果、院内感染で術後ひどい目に遭った経験があります。入院時間が大変短いため、管理も徹底できないためと思われます。手術後は体温の上昇などの症状を自分でもよく観察し、不安があればすぐに医師に伝えることが大切です。

医療費は安く、日本では高額医療の部類に入るものも、保険でカバーされることが多いです。薬も日本ではとても高い治療薬がとても安いと聞いたことがあります。

ただし、それは保険に入っているのが前提で、しかも保険の種類にもよることなので、しっかりとした保険に入る必要があります。保険適用される検査でも、医師の要請があるかないか、頻度なども規定されているので、それに当てはまらない検査を自分でしてしまって高額の医療費を請求されることがあります。

旅行者は海外旅行保険に入って来てほしいと思います。慣れない土地で慣れない飲食や気候が原因になり、こちらで体調が悪くなってしまって、現地の日本人に泣きついてくるという人たちをたくさん知っています。 

世界遺産の街ブルージュ
この船で運河観光ができます

執筆者:E.T
執筆年月:2021年8月

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