海外社会貢献者からのメッセージ

Q.世界を活動の場とする社会貢献者にとって、この国はどのような場所ですか?
セルビアは、外国人として活動するには少し忍耐が必要ですが、人とのつながりを大切にする人にとって魅力のある国です。行政手続きや公共交通機関など、思い通りに進まないこともありますが、日常生活では英語が通じやすく、外国人でも比較的生活しやすい環境です。最初は人との距離を感じることがありますが、こちらから積極的に関わると心を開いてくれる人も多く、困っている時には親切に助けてくれます。長い紛争の歴史や宗教・民族的な背景もあり、外国人が活動する際には文化や人々の考え方を尊重する姿勢が大切だと感じます。
文化
Q.現地の人々の気質や考え方にはどんな傾向がありますか?
セルビアの人々は、初対面では少し距離があり、親しくなるまでに時間がかかるように感じます。しかし、こちらから積極的に話しかけて関わっていくと、次第に心を開き、親切にしてくれる人が多いです。困っている人を見れば助けようとする温かさもあります。一方、東方正教会を大切にし、宗教や国の歴史に強い誇りを持つ人も多く一方、宗教や国の歴史に強い誇りを持つ人も多く、他の宗教や文化に対して慎重な考え方をする人もいます。また、休日に公園で子どもたちとゆっくり過ごすなど、人との交流や余暇を大切にする文化も感じられます。

Q.現地の食文化はどのようなものですか?
セルビアの食文化は肉料理が中心で、肉が好きな人には楽しみの多い国です。代表的な料理の一つがプリェスカヴィツァで、炭火で焼いた肉をパンにはさみ、好みの野菜やカイマクを加えて食べます。カイマクは、濃厚でクリーミーな乳製品で、チーズと生クリームの中間のような味わいがあります。野菜ではパプリカがよく使われます。街には「ペカラ(Pekara)」と呼ばれるベーカリーがあちこちにあり、小腹が空いた時に焼きたてのパンやピタを手軽に買えます。薄いパイ生地で具材を包んだピタは、肉入りを選ぶこともでき、手頃な価格で食べられるのも魅力です。

Q.現地の人々はどのような生活習慣や宗教観を持っていますか?現地特有のマナーなどはありますか?
セルビアでは東方正教会を信仰している人や、宗教を自分たちの文化や伝統の一部として大切にしている人が多くいます。朝は早く活動を始める一方、午後にはカフェでコーヒーを飲みながらゆっくり過ごす習慣があり、オープンテラスの店で飲み物だけを注文して長時間会話を楽しむ姿をよく見かけます。また、「風に当たると風邪をひく」と考える人が多く、向かい合った窓を同時に開けて風を通すことを嫌がる人もいます。宗教や歴史に関わる考え方には地域特有のものもあるため、現地の習慣を尊重することが大切です。

気候
Q.現地はどのような気候ですか?健康維持のために気を付けるべきことはありますか?
セルビアは四季がはっきりしており、夏は35℃を超える日もありますが、夜には20℃前後まで下がることがあります。一方、冬は氷点下5℃程度まで冷え込み、雪が積もることもあります。特に冬は底冷えするような寒さを感じるため、私たちはハクキンカイロを使っています。現地では、使い捨てカイロはまだ店頭で見かけたことがありません。また、季節による日照時間の差が大きく、夏は夜9時を過ぎても明るいのに対し、冬は午後4時ごろには日が沈みます。夏も冬も空気が乾燥しているため、肌や喉の乾燥には注意したほうがよいでしょう。
Q.現地特有の風土病はありますか?健康維持のために役立つ対処方法はありますか?
私たちは、これまで生活してきた中で、セルビア特有の目立った風土病については聞いたことがありません。蚊はいますが、日本と比べると少ない印象です。電子蚊取り器は店で販売されていますが、私たちは今のところ使ったことがありません。
言語
Q.現地の人々はどのような言語を用いていますか?外国人にとって、現地の言語を学ぶ際に、どんなハードルがありますか?
公用語はセルビア語です。日常生活では英語を話せる人が多く、特に若い人だけでなく、年配の人でも英語が上手な人がいるため、英語ができれば生活で大きく困ることはありません。一方、役所や銀行などではセルビア語が必要になる場面もあります。セルビア語はキリル文字とラテン文字の両方が使われます。ロシア語と共通する単語も多いため、ロシア語を話す人にとっては比較的学びやすい言語のようです。簡単なセルビア語のあいさつや数字を覚えておくと、現地の人との距離を縮めるのにも役立ちます。
生活
Q.現地の人々の生活水準はどうですか?
セルビアの通貨はディナール(RSD)ですが、収入や住居費はユーロ換算で語られることが多いため、ここでは金額をユーロで示します。セルビアの人々の収入は、平均すると月1,000ユーロ前後という印象です。日本や西ヨーロッパと比べると収入は高くありませんが、街では比較的新しい車を見かけることが多く、中型から大型のオートバイに乗る人もいます。住居費は地域によって異なりますが、ベオグラードでは1LDKのアパートが月500ユーロ程度から見つかります。食料品や生活費も日本とは違った価格感覚があり、収入に対して住居費などの負担がどの程度になるかを考えて生活する必要があります。

Q.現地の人々の教育水準はどうですか?
教育水準は比較的高いと感じます。街で働く人や行政の窓口などでも、物事を理解する力や対応力が高い人が多い印象です。大学などの高等教育を受けた人も多く、専門的な仕事に就いている人もいます。一方で、行政手続きでは担当者によって説明が異なるなど、教育水準とは別に、仕事の進め方には日本とはかなり違う面があります。
Q.現地の治安水準はどうですか?外国人が特に気を付けるべきことはありますか?
ベオグラードは、繁華街や夜の人通りが多い場所を除けば、比較的安全に生活できると感じています。監視カメラはそれほど多くありませんが、パトカーが街を巡回しているのをよく見かけます。一方、アジア系の外国人に対して心無い言葉を掛けられたり、不快な扱いを受けたりすることがあります。頻繁に起こることではありませんが、外国人として生活する際には、こうした場面に遭遇する可能性があることを知っておいたほうがよいでしょう。また、歩道に車が乗り上げて駐車していることが多いため、交通にも注意が必要です。
Q.現地の住居や住環境の様子どうですか?
ベオグラードの住居はアパートが中心です。暖房は建物全体に供給される地域暖房を利用する住宅と、蓄熱式の電気ヒーターなどを各家庭で使う住宅があります。エアコンの普及率は高く、夏の暑さにも対応できます。

Q.現地の生活インフラ(水道・電気・ガス・インターネット)はどの程度整っていますか?
水道・電気などの基本的な生活インフラは整っています。突然の停電や断水はほとんどありません。水道水も電気も日常生活で問題なく使えます。都市ガスは一般家庭ではほとんど使われず、コンロはIHなどの電気式、シャワーのお湯も電気で温めてタンクに貯めておく方式が一般的です。毎月の水道代は毎日洗濯しても20ユーロしないぐらいです。電気代はエアコンを使わない時期なら月50ユーロほどですが、冬に蓄熱式ヒーターを多く使うと200ユーロ程度になることもあります。全館暖房のあるアパートでは、冬の暖房費を年間を通して分割して支払う方式もあります。インターネットは利用できますが、2年契約が多く、外国人が新規に固定回線を契約する場合には不便を感じることがあります。
Q.現地のレストランやファーストフード店、露店など食品を扱う店の衛生状態はどうですか?
レストランやファーストフード店、露天市場などを利用していますが、これまで衛生面で特に不安を感じたことはありません。食品は全体的にきちんと扱われている印象です。ただ、日常の買い物では、露天市場よりスーパーを利用することが多くなりました。スーパーのほうが品数や種類が多く、価格も安いと感じるためです。なお、日曜日は営業していないスーパーが多いので、買い物は前もって済ませておく必要があります。
Q.生活に必要な安全な飲用水はどのように調達しますか?
セルビアの水道水は、そのまま飲むことができます。私たちも普段は水道水を使っており、飲み水には浄水ポットを通しています。市販のミネラルウォーターもスーパーなどで購入できますが、日常的に大量の水を買う必要はありません。
Q.現地の交通事情や交通機関の様子はどうですか?
ベオグラードにはバスやトラムなどの公共交通機関がありますが、中心部に地下鉄はなく、移動には不便を感じることがあります。市内の公共交通は、執筆時点では基本的に無料で利用できるため、日常の移動には便利です。一方、渋滞が多く、バスやトラムは遅延や運休、路線変更がよくあるため、時間には余裕を持ったほうが安心です。トラムにはエアコンがない車両もあり、夏の暑い時期はかなり厳しく感じます。空港から市内へは有料のA1シャトルバスも利用できます。

Q.現地の医療水準はどうですか?医療費は高額ですか?
私たちはまだ現地の医療機関で診察を受けたことがないため、医療水準については詳しく分かりません。開業して滞在する外国人は健康保険への加入が必要で、保険に加入していれば公的医療機関での診療を受けることができます。街には薬局が多く、処方箋が必要な薬も扱っています。私たち自身も、日本では処方箋が必要になるような薬を、薬局で購入できた経験があります。医療費が高額かどうかについては、実際に医療機関を利用してから判断したいと思います。
Q.現地に滞在するためのビザにはどんな種類がありますか?
短期滞在にはCビザ、長期滞在にはDビザがあります。長期的に住む場合は、就労、留学、家族との合流など、滞在する目的に応じた在留資格を取得します。私たちはセルビアで仕事をするために事業を登録し、自営業を基盤とした滞在許可を取得しました。また、不動産を所有することを滞在の根拠とする方法もあります。外国人が長期滞在する場合は、ビザだけでなく滞在許可の手続きも必要になるため、事前に必要な書類を確認しておくことが大切です。
私たちがビザを申請した際には、アポスティーユ(公的文書に付ける証明)を付けた学校の卒業証書や、婚姻関係を証明する戸籍謄本などの書類を準備しました。日本の家族に書類を取得してもらう必要がありましたが、原本をスキャンした電子データを受け取ることができたので、日本から原本を郵送してもらう必要はありませんでした。日本に家族がいる場合は、必要な書類を事前に確認しておくと手続きがスムーズです。
Q.日本⇔現地のフライトはいくらくらいですか?
日本とセルビアの間には直行便がないため、ヨーロッパや中東の都市を経由して移動します。私たちは別の国からセルビアに来たため、日本との往復航空券の料金や所要時間についてはまだ経験がありません。東京―ベオグラード間の往復航空券は、時期や航空会社によって大きく変わりますが、現在は25万円前後から見つかることがあります。一般的にはイスタンブールやフランクフルトなどを経由するルートがあります。
執筆者:leto
執筆年月:2026年8月
